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2-35 好きな人
彼の身体を起こして座らせ、
膝立ち状態にさせて再び内部に指を挿し入れた。
「っ、う...、っはぁ..」
ガクガク震える内腿に今にも崩れてしまいそうな彼の腰を支えながら、
胸に顔を埋めつつ体内を抉る。
舌先で突起を弄ると、きゅう、と指を締め付けられて
激しく指を動かすと硬く熱を集めた彼の自身が身体に触れた。
奥へと指を差し入れて、コリコリした部分を見つけ出し
そこを擦ると彼の腰はビクッと跳ねる。
「ひ、あ...っ、あ...」
わざと焦らして触れないでいると、ろくに動かせもしないのに身をよじるから
縄で締め上げられた肌は赤くなっていて、身体全部が紅潮しているようだった。
「ねえ鈕」
「..っ...あ...」
突起に噛みつきながら喋るとミナミは仰け反り倒れそうになる。
手前の方で遊んでいた指をぐぐ、と奥に差し込みその部分に触れながら
ゆっくりと掻き回すとがくがくと彼の膝が震え
パタパタと涙と唾液が混じったような液体が降ってきた。
「どうして欲しいの?」
「あ、あ..っ、ァ...ッはぁ...」
「ちゃんと何が欲しいか言わないとあげないよ」
再び指を入り口付近に戻すと
ミナミは眉根を寄せて見下ろしてくる。
彼の涙を頬に受けながら、袖野は笑った。
「は、..っ...ほくとさ..ほくとさんがほしい...っ」
「僕が何って?」
「....ッ...ほく、とさん..で、オレの中..いっぱい..にして、欲しいよぉ...」
ミナミはしゃくりあげて泣きながら懇願した。
彼の体内から指を抜いて、熱く滾った中心で入り口に触れた。
中には入らずぬるぬると入り口を擦ると彼の腰は揺れる。
「欲しいの?」
「ン..っ、ほし..い..いれてほしいです」
「じゃー自分で挿れて」
そう命令するとミナミは戸惑ったように口を開いたが、すぐに必死にもがこうとする。
彼が努力する間にも彼の片足に足首と太ももを縛り更に自由を奪う。
「あ..っ、や...」
バランスが崩れて、すとんと袖野の膝の上に落ちてしまったミナミは
うえ..、と号泣しそうな呼吸をしていた。
目が合うとボロボロと大粒の涙が溢れ始め、袖野は愉快そうにくすくすと笑った。
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