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2-38 好きな人
「はぁ....らぶらぶですよ、本当」
呆れて笑いながらも
彼の手首をシーツに押し付け、深く中を抉った。
「ほく..とさ...ッ、あ...!」
掠れた悲鳴が溢れた。
欲しがっている、絡みついてくる。
片足を持ち上げ律動を早めて行く。
きしきしと縄の音が鳴いている。
「鈕、愛してる」
耳元で呟くと、ぎゅうう、と引きちぎられそうに強く締め付けられ
彼の背中が仰け反った。
「...っ、!..ーっ、い....ッ、あ..」
びくびくと彼の身体が震え、2人の間で雄が弾けた。
迸る液体を感じながらも律動は止められず
彼の前髪を搔き上げて唇を奪った。
「ッぅ、ん....!?んん"....ーっ!」
彼の叫び声を食むように阻止しながら、突き上げ
反射的に暴れる身体を抑え付けて貪り続けた。
「..っ」
やがて唇を押し付けたまま、昇り詰め精を吐き出した。
暫くそのまま震えていたが、息苦しくなり唇を離すと
ミナミは可哀想なほど苦しそうに咳き込んだ。
「..は..、...」
焦点の合わない瞳に見上げられ、袖野は楔を引き抜いた。
ぐちゃぐちゃになったミナミの顔が可哀想でもあり、
自分がそんな風にしたのだと思うと嬉しくもあるのだった。
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