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3-7 今日は縛らないんすか?
気付いた時には見知らぬ天井を拝んでいて、
ミナミは火照った身体を横たえているだけの状態だった。
泣いてしまった上に勢い余ってラブでホテルなところに連れ込んでしまった。
そういうことばかり考えていると思われても仕方ないが事実なのでしょうがない。
「わーすご。こういうとこで見ると生々しいな..」
袖野は傍で電動マッサージ機的なのを動かして苦笑している。
無邪気に遊ぶ彼の姿を見ていると変なことを口走りそうでミナミは顔を両手で覆いながらもまた天井を見上げた。
心臓が爆発しそうだった。
「ミナミくん?実はマジで具合悪いとかある?」
本気で心配してくれている声に、ミナミは指の隙間から彼を見上げた。
「大丈夫です…」
「ほんまに?」
「……ほんまに…」
ミナミにとっては格好良すぎる恋人の顔が間近にあって、それだけで噎せそうなのだ。
「あ..あの...ほんじつは..」
「……何?緊張してるん?」
ミナミの謎の言語に袖野は面白そうに笑っている。
「...当たり前じゃないですか....
オレはいつだって、緊張するんです…」
ミナミでも緊張することあるんだと思われても仕方がないが
好きすぎる存在が近くにいるだけで舞い上がってしまうし
どういう顔をしていいのかわからなくなるのだ。
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