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3-10 今日は縛らないんすか?
「はー...っ、は...ふ、ー...ッ」
興奮した獣のような呼吸がシーツに沈んでいく。
うつ伏せ状態からようやく頭を持ち上げられると
溢れた涎が糸を引いていて、うわ、と彼は目を細めた。
「鈕?」
彼の声が聞こえ、鳥肌が立つようだった。
ガクガクと顎が震えて言葉が何も出て来ない。
再び仰向けにされ、彼の冷たい指が火照った身体に降りた。
縄の痕とキスマークだらけになった肌を指先で撫でられ
暴発寸前に膨らんだ自身からだらしなく液体が溢れた。
「い...っ、あ...ッ、あ」
おかしくなってしまったように身体が言うことを聞かない。
重くて熱い塊になったようだった。
「まだ触っただけだよ?」
彼の声が愉快そうに溢れた。
そんな言葉にもびくんと身体が跳ねてしまう。
死んでしまいそうに苦しくて、
ミナミは泣きながら必死に息を吸った。
残酷な冷たい指が、胸の突起に触れ摘まみ上げられ
痛いほど強くされたのに電気が走ったような感覚が身体中を駆け巡った。
「あ、ぁあ..ッあ..!」
一瞬全てが真っ白になりすぐに戻される。
果てたような感覚だったのにまだ身体は熱かった。
「あーあ」
「..っ、..めん..なさ...」
心臓の音と自分の呼吸の音がうるさくて。
彼の舌が内腿に這い、甘噛みされる。
硬い歯の感覚に身体がまた悦んでしまって
自分が一体どうなっているのかがわからなかった。
「...ふ、ッ...ぅう....」
涙と唾液が止まらなくて、彼がいつも言うように
相当汚い顔に違いないのに。
袖野は何も言わず、ミナミの足を広げさせた。
肢体は自由であるはずなのにされるがままだった。
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