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3-11 今日は縛らないんすか?

彼の指が足の間へと進み、今まで一切触れられなかった場所へと辿り着くと ただ、頭の中は彼が欲しいという事しか叫ばなくなる。 「ほく...と、さ...ん」 掠れた声で名前を呼ぶが再び無視をされた。 どろりとした人工的な液体を絡ませた指が、体内へと侵入してくる。 「...あ...、だ、め.....っ」 違うのに。 欲しいのはこれじゃない。 ミナミはボロボロと泣きながらも言葉にできず吐きそうだった。 ゆっくりと指が出し入れされ始めるが、あまりに丁寧すぎて、 届いて欲しい場所に届かなくて、指を増やされても身を捩ってしまう程もどかしいだけだった。 「ん...っ、はぁ...ほ、くと...さん...」 熱くて熱くて、溶けてしまいそうなほど熱いのに。 「ほく、とさん....ッ!!!」 ミナミは渾身の力を振り絞って叫んでいた。 ひょこりと滲んだ視界に彼の顔が現れて、ん?と微笑まれる。 その愛しい顔にますます涙が溢れてきてしまって ミナミはしゃくりあげながら泣いた。 「も...っ、やだ....!ほくとさんが...欲し、いよ、おっ!!!」 涙でヒタヒタになった声が無様に懇願していた。 袖野は顔色一つ変えずにミナミの頬を優しく拭ってくる。 「まだ全然慣らしてないからダメ」 そんなことを言われてミナミは必死に首を振った。 「..っ、や、だ....ぁ...」

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