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3-12 今日は縛らないんすか?
限界だった。
なんだか、見捨てられてしまったような、
心と体が引き剥がされてしまいそうで、切なくて切なくてミナミは号泣し続けた。
あーもうはいはい、と袖野は
自分では動かすこともできなくなっているミナミの身体を持ち上げ抱きしめてくる。
「よしよし。泣かないよ?」
「うえ..っ、ほく、とさん...」
頭をポンポンと撫でられて、彼の身体に包まれると無性に安心してしまって。
彼の香りを感じると頭がぼうっとなって、それでも抗議したくて
ミナミは彼の襟をかみかみしてやった。
こんなにこんなに、こんなに好きなのに。
こんなにこんなに欲しくてたまらないのに。
そんな恨みつらみを込めてしまう。
「しょうがないな」
彼に顎を持ち上げられミナミはシャツから口を離した。
唇にキスが降ってきて、ちゅ、ちゅ、と優しく喰まれると
苦しくて流れていた涙が安心したから出てくるものへと変わっていってしまう。
再び体内で彼の指が動き始めた。
先程よりも加速したスピードに、快感が脳を支配し始める。
「...っん..う...、はぁ...ァ..」
それでも本当に欲しいものじゃないから
ミナミは再び泣きじゃくりながらも、
快楽を求めて勝手に腰を揺らしてしまう。
「鈕...」
優しい声で名前を呼ばれ、ミナミは再び彼の襟に噛み付いた。
我慢しなければと思うけど、我慢できなくてもどかしくて。
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