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3-13 今日は縛らないんすか?
彼の指がずっと刺激を欲しがっていたところに触れ、びくんと身体が飛び跳ねる。
「っ、ぁ、ア...!」
その場所を撫で続けられ、ミナミの身体はシーツの上で暴れていた。
また絶頂を迎えてしまいそうで、抗議をしたくて
ミナミはイヤイヤと首を振った。
「…かわいい」
甘く囁かれその声だけで身体が反応してしまう。
押し寄せられてくる何かに必死に抗うのに、
そのイイ場所を執拗に撫でつけられ、掻き回され
ついに流されてしまうのだ。
「..や..だッ、..あ、ぁあ!」
絶叫しながら、ミナミは再び果ててしまった。
彼が欲しいのに、こんなに欲しいのに。
ミナミは絶望のような心持ちでさめざめと泣きながら
滲んだ視界の中彼を見上げる。
優しいキスが降りてきて、ミナミはそれをただひたすら浴びていた。
「....ふ...うぅ.....」
ボロボロと涙が溢れてきてしまって、彼は呆れたように笑った。
「疲れたね」
「...っ、疲れて、ない...!」
ミナミは必死に否定した。
最後までして欲しいのに、どうしてそんなことを言うのだろう。
オレのこと、抱きたくないのかな?
そんな考えに苛まれてしまう。
「いっぱいイってたから」
「..ちがう..、」
「違うくないでしょ」
袖野は苦笑しながらも、ミナミの両手の簡単な拘束を解いた。
「なん...っで....」
涙を拭われても溢れてしまう。
本当は、ただ自分のワガママに付き合ってくれただけなのかもしれない。
ミナミは、身体を寝かしつけるように撫でてくる袖野から目を逸らすように自由になった手で自分の顔を覆った。
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