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3-21 まどろみと夢
「ごめんなぁミナミくん..痛いとこない?」
彼に先に謝られてしまい、ミナミは必死に首を横に振った。
「オレ、オレこそ、ごめんなさい....」
「なにが?」
「嫌いとか嘘ついて...もう2度とあんなこと言いません...」
ミナミはじっと彼の目を見上げて誓った。
しかし袖野は優しく微笑んで頭を撫でてくれる。
「なんやそのことか...」
特に気にしてなさそうな口ぶりの彼をミナミは睨んだ。
「なんやじゃなーい!オレは真剣なのに!」
「わかったわかった」
いまいちわかってなさそうな彼にミナミはどうしたら伝わるのかと変な顔をしていた。
袖野はそっとミナミの身体を抱きしめて、落ち着かせるように背中をとんとんと叩いてくれる。
「その倍くらい好きって言ってくれるんやろ」
耳元でそんなことを言われると、かぁ、と顔が熱くなってしまう。
「....うん……」
ミナミはしゅんとおとなしくなって彼の背中にそっと手を回した。
「ほい。許した」
とん、と背中を叩かれ彼は身体を離した。
お風呂はいってき、と促されながらもミナミは立ち上がる彼をぼうっと見上げた。
本気でこの人のことめちゃくちゃ好きだ、と実感しながら
ミナミは心底上機嫌になってしまうのだった。
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