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4-11 女子会パンケーキ

「私はアサギリ先生の好きだな。なんか女の執念〜って感じで まさに官能の世界っていうか」 「わかるわかる!どろどろした感じがいいですよね」 「會下先生も、超大御所作家だし…と思ってたけど なんか乙女チックな感じできゅんきゅんきちゃいました」 「うんうん!恋愛したくなったよね!」 「…みなさん…結構チェックしてくれとるんですね」 「勿論ですよ!特選ってレジェンド雑誌ですし、有名な作家をいくつも輩出してるじゃないですか」 今は五虎七瀬旋風で若干良い扱いにはなっているものの 社内でも闇の部署として有名な特選を女性陣はとにかく褒めてくれていて、袖野は苦笑するほかなかった。 確かに軌道に乗れば致し方なく書いていた官能小説を卒業していく作家もいるし、そういう人達がいつのまにか有名になっているなんて事はあるが 所詮は変態による変態のための変態制作工場なのだが。 「女性向けのそういったコンテンツって今後もっと注目されていくと思うんですよね。 今だって百貨店とかでもセルフプレジャーのショップが展開されていたりしますし」 「うんうん。デキる女はディルドの一個は持ってないと!とか言いますもんね!」 「だ…誰が言ってんすか…?」 「久森編集長です!」 「あははは!」 酔った時の雪雛玲一郎が言っていそうな台詞を軽いノリで叫んでは大笑いしている女性陣に、これはこれで怖いかもしれないと思う袖野であった。 「ははは……」 怖いので、愛想笑いをしておく他ない。

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