130 / 149
4-15 見つけちゃった
がっかりされただろうか。
いつもされているような気もするけど、それでも真壁はなんだかんだと自分を信用してくれているのだとミナミは思っていた。
お前はちゃんとやればできるって言ってくれていたし、こうやって心配しながらも大事な仕事を任せてくれて。
それなのに、応えられないのが悪いに決まっていて。
ミナミは膝の上に置いた両手を握りしめて泣かないように耐えていた。
「……はぁ…、もういい…」
真壁は冷たくそう言うと立ち上がった。
信用を無くしてしまっただろうか。そう思うととても悲しくて
ミナミは床に座り込んだまま動けなかった。
「ミナミさん…!」
雨咲が駆け寄ってきて、手には救急箱のようなものが持たされている。
「とりあえず…手当しましょう。
そんな血みどろの顔でうろつかれては困ります」
「…うん…ありがとう…あめちゃん……」
ミナミは小さく頷きながらもふらふらと立ち上がった。
真壁はもうパソコンに向かっていて、ボロボロの資料をデスクの上に放ったままミナミを見もしなかった。
それがすごく辛かったけど、
行きましょう、と雨咲に腕を引っ張られてミナミは歩き出す他なかった。
ともだちにシェアしよう!

