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4-20 へんな子

「………なんでもないです」 寝不足で頭が回っていない所為か、余計な事を言ってしまってまた変な空気になってしまったようだ。 ミナミはやっぱり自分はおかしくて、と少し恐ろしくも感じていた。 今のままではほくとさんに会ってはいけない気がする、とも。 会いたい気持ちはいつだってたくさんあって、 もしも数値化されていたらいつだってMAXを越えていそうだったけど 嫌われたくないとか、気味悪がられたくないとかいう気持ちの方が今は強かったから。 思えば、誰かに好きになってもらう、なんて事なかった気がする。 一方的に好きになってアタックして、なんとなく付き合ってもらった事はあったけど 結局みんな呆れてどこかに行ってしまうし、そもそも叶わない事の方が多かった。 それなのに好きだと言ってくれるあの人に。 ちゃんと向き合ってくれるあの人に、 どうやったらずっと好きでいてもらえるんだろう。 どうやったら呆れさせずに、嫌われずに、がっかりされずに 居られるんだろう。 要らない、って。 邪魔だ、って言われないためには どうしたらいいんだろう。

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