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「聖、マジで、マジで降りて」
「……」
完全に勃ち上がった息子を早く落ち着かせねば。
ていうか、酔っ払い聖をどうにかせねば。
――このままでは、大事に大事にしまい込んでいた聖への想いが爆発してしまう。
――欲に負けて感情を晒すなど、一番情けなくて自己中心的だ。絶対嫌だ。
泣きたくなるような自分をどうにか抑え込み、ぐっと聖を押し返す。
だが、真壁の上で揺れる聖ははあ……と悩ましげな息を漏らすだけで動こうとはしない。
それにすら強烈な色香を感じてしまう自分は、もう神谷の忠告を受け入れるにはとっくに手遅れだったのだ、と哀しい自覚をした。
「……きょ、今日はどうしたの。また、……彼女と何かあった?」
「は?」
「だって、あんまりこんな風に飲まないじゃないか。ひとりで、とか」
「……」
話しながら不自然にならないよう腰を動かし、どうにか聖を息子の真上から移動させようとする。
だが、逆に突き上げるような感覚に陥って余計に興奮してしまった自分に、眩暈がした。
「別に、あの女はもうどうでもいいけどさ」
「ん?」
顎を伝うビールを拭い、ぺろりと舐めとりながら聖はじとりと真壁を見た。
首を傾げ、続きを促す彼に返事はせず、聖はそっと腰を浮かせて振り返った。
「なんで勃ってんのお前」
「!!」
――バレたっ……!
触れずともわかる程に真壁のそこは大きく勃ち上がり、聖を求めていた。
だが、勃っていることがバレてもまだいい。誤魔化せる。……ただ、その中に潜む欲を知られる訳にはいかない。絶対に。
真壁は聖の腰を掴み、降りるようにと促す。
「さ、最近溜まってたから、反応しちゃっただけだから、早く、降りて、」
「……欲情、してんの?」
「――!」
悩ましげな吐息とともにこぼれ落ちた言葉に、息を飲む。
聖が好きなのだと自覚した日から、彼を"そういう目"で見てきた。
けれど、『大切な友人だから』と必死に抑えてきたのに。
こんな風に、とてつもない色気を放たれたら、抑えようがないじゃないか。
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