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いつよもりずっと味気のない昼食を済ませ、講義を受けて。
何かをするたびに真壁のふにゃりとした笑みが脳裏に浮かび、聖は顔をしかめた。
――食堂のオムライスよりも、真壁の作るそれが美味しい。
――いつも教壇の正面の一番前の席を陣取り、その大きな背を丸めて講義を受ける後ろ姿。いつもいつも、周りに言われていた。誰もが嫌がる真正面の席に座るだなんて、とんだ変わり者だと。
そのたびに、授業の内容を誰にも邪魔されずに聞いていたいからだとクソ真面目な顔と声で答えていたことも。
「……」
かぶりを振り、日常の記憶を掻き消すとともに机の上に置いた両手に目を向けた。
冷房が良く効いた講義室では、長袖のパーカーを着込む聖の姿は目立ちはしない。そっとその袖を捲り手首に残る痛々しい痕をじっと眺めた。
――悲しいながら、あれはやはり夢ではない。
聖の胸中など知る由もない教授の大きな声にびくりと肩を震わせ、袖を元に戻すと残りの時間は机に顔を突っ伏して過ごした。
何をしていても、真壁に対する罪悪の念が胸を渦巻く。
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