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 程よく筋肉のついた腹をなぞり、聖の肩が震えた瞬間、真壁の手はジーンズと肌の隙間に入り込んだ。  濃くはない下生えをくるくると弄っていると、再び舌に噛み付き抗議の視線を送りつけてくる。そんなところで遊ぶな、と言わんばかりのそれに真壁はふっと笑いやんわりと舌を噛み返した。 「ひたい」 「ほっちほそ」  合わさった唇はそのままに互いに文句を落とせば、笑いが漏れた。  どっちもどっちだな、と。呆れながらも、互いの身体は決して離しはしない。  くすくすと笑い続ける聖の肩が大きく跳ねたのは、真壁の手がそこに触れた瞬間。焦らすようだった動きは影をひそめ聖を一気に高みへと誘おうとしている。  嬌声を抑えようと歯を食いしばる聖の唇を塞ぎ、熱い舌でぬるぬると咥内を撫でる。ふたつの箇所から響く水音に、聖の身体がぶるぶると震える。  情欲に濡れた瞳が真壁を捕らえ、身を捩って背中に回っていた手がきっちりと着込んだままのジーンズに伸ばされた。 「っ、ひじ」 「おまえも、我慢、すんな」  返事を待たずに前を寛げ、自身がされているように両手で擦り上げれば真壁はびくりと肩を震わせた。  触れ合う箇所から溶け合ってしまいそうなくらい身体が熱い。ぐちぐちと濡れた音と荒い呼吸と、それだけが耳に響く。  互いの唇を貪るようにくちづけながら、ふたりは同時に爆ぜた。

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