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「お前のせいでこんなになってんだ。責任取ってくれよ。……な、ダーリン?」
「ッ……ひじ、ひじり!! からかってるでしょ!!」
「わはは! お前相手なら何でも出来るわ俺!」
「も、もう、知らないからね本当に……!」
もう喋ってくれるなと聖の唇を塞ぎ、服を脱がせ、するりと腹を撫でる。性急な動きは真壁の理性に比例し、ただ聖が反応する箇所を執拗に攻めてくる。早く、その先に――この快感の果てにあるものに辿りついきたいと、欲望にぎらつく瞳が訴えかけている。
真壁の瞳に射抜かれ、聖の背筋がゾクリと震えた。彼もまた、真壁がもたらすこの快感の先にあるものを期待する自分を飼い慣らせていないでいた。震える身体と漏れ出る嬌声はまるで他人のもののようで、目の前がちかちかと白んでいく。
触れる熱い真壁の指先が、舌が、愛おしいと囁く度に身体は震え、高みに昇っていく。
「ちょ、待て、ッんん、」
「無理」
濡れた指先が一番弱い所を掠めた瞬間、汗の滲んだ身体は大きく仰け反って震えた。
断続的に漏れる掠れた嬌声を飲み込むようにくちづけ、力の抜け切った身体をベッドに横たえ、情欲に満ちた瞳で真壁は見下ろした。
何度も聖の名前を呼んでは愛おしげにくちづけて身体じゅうに痕を残し、するすると下肢を撫でる。肌理の細かい肌は汗ばみ、まるで吸いつくような手触りで真壁を誘う。
湧きあがる身体の熱さは、ゆるやかな空調のせいか、それとも互いの想いが具現したものか。
以前は身を捩りやめてくれと拒絶を繰り返した箇所に指を滑らせると、聖の身体は小さく震え熱を帯びた漆黒の瞳がゆらりと真壁を捉えた。
怯えている訳でも、拒絶している訳でもないのはその表情から見てとれる。けれど、いくら覚悟をしたとはいえ、同じことを繰り返し傷つけたくはない。その戸惑いから、ぴくりとも指を動かすことが出来ない。
「……真壁」
「ん」
「もう、いいって。好きにしろ」
それでも躊躇う真壁に焦れたように、聖は手を伸ばし力を込める。自身の放ったものが伝い、そこを濡らす感触に震えながら、押し当てた状態で留まっていた真壁の指を導いた。
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