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落ち着く気配のない呼吸を飲み込み、聖は真壁の腰に絡めていた自身の脚を解いた。
同時に、強い倦怠感が身体を這いずりそのまま真壁の肩に回していた手がベッドに落ちた。
「だい、じょぶ?」
「……おう」
なんとかな、と続け汗の滲んだ額をふるりと振り、とろりと溶けた瞳を真壁へと向けた。
聖と同じように額には汗が滲み、呼吸もまだ荒いまま。そのうえ、はらはらと流れる涙は枯れることなく真壁の頬を濡らし続けていた。
いつまで泣いてんだ、と掠れた声で囁き覆いかぶさる真壁の胸に自身の頬をすり寄せ笑った。指一本動かすのすらひどく億劫だと言いながらも頬を濡らす真壁を気遣う聖の表情は穏やかで、以前泣いて拒絶を繰り返していた同一人物とは思えない。
互いに汗だくで、どろどろで。かっこ悪いことこのうえないのに。幸せに満ちていた。
「……風呂、入りてえ」
「ん」
「ッ、ん、んん……」
鼻を啜った真壁が身を起こせばずるりと彼自身が抜け出て、身体ごと引っ張られるような感覚に聖は大きく仰け反った。
「あ、なんかまだすげえ違和感」
「……やめて聖煽んないで」
「事実を述べただけだ俺ぁ」
じくじくと鈍い痛みの広がるそこを自身の手で撫でる姿はひどく卑猥で、真壁はぶるりと震えながら立ち上がった。
聖には、決して下肢は見せないように。そこが今どうなっているのか既に察している聖はただ声を上げて笑うばかりで、隠す意味もないのだが。
手を伸ばせば、躊躇いながらも真壁のそれが掴み返し、力のない身体を抱き上げられた。
触れた先からぶわりと広がるぬくもりが心地よくてバスルームへと運ばれながら聖は真壁に身を任せた。
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