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第2話

 僕が目を奪われたのは、女性ではなかった。  男のくせに長いまつげ、男らしい広い肩幅。  勉強をしているらしく、手に持つシャーペンが忙しく動いている。  そんな姿にも、何かぐっと来るようなものがあって、どこか見とれてしまう。  でも……いやいやいや、僕がそんな、同性なんかにドキドキするはずがない。  今までだって、同性にそんな想いをすることなんてなかったし、ちゃんと女性ともお付き合いしてきた。  自分の気持ちに反対するように首を振って、今は勉強に集中することにした。  ◌○◌○◌○  ときどき伸びをしたりして、ずっと同じ体勢だったおかげで固まってしまった体をほぐす。  時計を見ると、勉強を始めてから数時間が経っていた。  ついでに、あのまつげの長い男性の方も横目で見てみたが、もう帰ってしまったようだ。  何だか少し残念ではあったが、お腹も空いてきたので、僕も図書館を出ることにした。

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