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もう余裕なんてない

 ちょっと待って、と言われ、弄る手を大智に掴まれ行為を止められてしまった。 「そ……それ俺のケツに挿れんの? マジで?」  ここまで来て逃げられてたまるかと、祐樹はさっさと服を脱ぎ大智の服も剥ぎ取っていた。完全に勃起した祐樹のそれを見て大智が怖気付いている。ちょっと怯えたような顔も可愛いな、なんて思いながら祐樹は「大丈夫」と大智を宥めた。  自分の姿が見えないように大智を背後から押さえつけ、そのまま尻に手を這わす。慌てて大智が振り返り「マジで?」と繰り返すのを頸へのキスで黙らせた。大智は敏感なのか、祐樹が思った以上にちょっとしたことで吐息を漏らす。首やら背中に軽くキスをしただけでビクッと体を震わす大智を見て興奮しないわけがなかった。 「ひゃ……なにそれ? あ……待って、あっ……うわ……あ……嘘…… 」  しっかりと準備していたローションを手に纏い、ゆっくりと大智の後孔に指先を挿入させる。 「ゆっくりするから、俺のこと…… 受け入れて」  そう耳元で囁くと、小さく呻きながら大智はコクリと頷いた。  自分の行為で大好きな人が身悶え、可愛く震えている。今すぐにでも熱り勃つ自身を突き入れてしまいたい。そんな衝動に駆られながらもなんとか堪え、祐樹は優しく囁き続けた。イヤらしく声をかけるだけで大智の中がキュッと締まる。ちょっとキスを落とすだけで大智は可愛い反応を示す。 「お前……可愛いな、堪んねえ……気持ちいいの?」  まるで女みたいだよ……と喉元まで出かかった言葉を祐樹は飲み込む。そこまで言われたら流石の大智も馬鹿にされたと怒るだろう。 「わかんない……変、あ……祐樹、そこ……なんか変だ。あっ……やだ……怖い」  枕に顔を押し付け、ごにょごにょと大智は喋る。嫌がられるかと思っていたけど想像以上の反応で気分が良かった。 「なあ、いつまでケツ弄ってんの? 何気にこの格好、屈辱なんですけど」  四つん這いになったまま祐樹を振り返る大智が不満そうな顔をして文句を言う。ここまで晒しておいて今更だろうと思いながら、祐樹は小さく首を振った。 「まだ……もっとじっくり解さねえと。痛いの嫌だろ? ほら……まずはこれから挿れてみようか」  用意していたディルドを大智の後孔にあてがいゆっくりと挿れていく。大智はびっくりした顔で振り返り「何? 何挿れてんの? やだ……」と、慌てて手で払おうとするからその手を掴み睨みつけた。 「いいから! 黙って受け入れろ……」 「あ……ん」  もう余裕なんてなかった。祐樹は興奮状態で大智にディルドを挿入させると、仰向けに寝かせて抱きしめた。 「ごめんな……もうちょっと我慢して。お前に痛い思いさえたくねえんだ……」  そう言って大智に優しくキスを強請る。大智はうっとりしながら吸い込まれるようにして祐樹の唇にキスをした。

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