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第8話 side:桜井
間違いなく今の笹塚は正常な判断ができていない。
思わず口付けられたとき、俺の豆腐のように柔らかい自制心は綺麗に吹っ飛び、気づいたら夢中で笹塚の唇を貪っていた。
合間に漏れる吐息が本当にたまらない。
今気づいたけど、俺この目つき悪い瞳が欲情してとろんってなる姿がすげー好きなんだなぁ…。
とまらないどころかどんどん濃くなるフェロモンに思考回路が停止しそうになったとき、笹塚の腰が抜けて一瞬我に帰った。
やばい、完全に夢中になってた。
我に帰ったからといって正直このままやめるつもりはない。
呆然としたように俺にしがみつく笹塚の脇に両腕を差し込んで俵担ぎのようにすると、一瞬笹塚が声にならないような声で抵抗を示したがそれも虚しく力が入らずどうにもならないと悟るとすぐに大人しくなった。
向かった先は目の前の倉庫。
部活が始まる放課後になると、運動部員がこの倉庫にやってくるが幸いにも今はまだ昼休みが終わったばかり。
少し錆びた扉を強引に開けて、中へと入れば雑に置かれたマットが床に敷いてあってこれは俺のために誰かが用意してくれたに違いないって馬鹿になった頭で本気で思った。
マットに笹塚を転がして、その上に覆いかぶさるように笹塚を組み敷く。笹塚はぼんやりとした顔でぷんぷんフェロモンを漂わせながら、期待の篭もった瞳で俺を見上げている。
「ヤんの…?」
「ヤるよ。こんな煽られて、平気でいられるアルファいないって」
唾液でてらてら光る唇とか
シャツの上からぷっくり押し上げる乳首だとか
触らなくてもわかるくらい勃起してるソレとか
もうえろくてたまんない。
再びゆっくりキスをすると、笹塚は俺の首に腕を回してきた。乗り気じゃん。でも今は笹塚であって笹塚ではない…複雑。
笹塚のシャツのボタンをひとつずつ外していき、中に着ていた肌着をめくってぷっくり突起した乳首に軽く触れれば、わかりやすいくらい身体をびくつかせた。
「っあ!ん、ちくびむり…ぃ、あっ…」
「気持ちいいでしょ?」
「ん…」
小さく頷く笹塚は普段と別人すぎる。たまらん、ギャップ萌えってこのことか!
乳輪を指先でなぞり、乳首を優しくつまむとどこか物足りないような目で俺を見つめてきて、ぎゅうっと痛いくらいにつまめば甘い声がひっきりなしに漏れる。
「さくらいぃ…んっ、ぁっ…」
「…なあに」
「…っな、………めて、ほし…い…」
羞恥心はまだかろうじて残っているのか、恥ずかしそうに自分の腕で顔を隠しながら、微かに聞き取れる位の小さな声で言った。
俺は思わずニヤける。
「どこを?」
「っ!…っ……」
「あー、わかった。ここね」
「っちが…!ぁあっ、なんでそこ…っ!」
おそらく乳首のことを言ったんだろうけど、俺は構わず知らんぷりをして笹塚の股間に手を伸ばした。
はち切れんばかりのそれは、窮屈そうにズボンを押し上げていて、相変わらず笹塚は呼吸を荒くしながら腕で顔を隠していた。
「がっちがち。お尻もはやくいじって欲しくてぐっちゅぐちゅに濡れてるんだろうね」
「う、るさ…んんっ、ぁあ…っ」
「…うーわ、想像以上にぐちゅぐちゅ」
「あんっ、あっ…きもち、ぃ…さくらい、んっ、んっ…!」
ズボンを手早く脱がせて、下着の中に手を突っ込めばどこもかしこもびっちょびちょに濡れまくっていた。そそり立つ性器を軽く擦るだけで笹塚はこれでもかってくらい喘ぐ。
俺はすぐに笹塚の下半身に顔を移動して、にちゅにちゅと水音を立てながら扱き、笹塚がたまらないといった様子で体をよじらせるのを上目で見ながら、ゆっくりと先端から口にくわえた。
「ぁっ、あんっ!さく、さくら…いっ!だめ、むり、あっ、あんっ!っ、イク、でる、っ……!」
「…はっや」
そして濃い。
先端を少しくわえただけなのに、笹塚は背中を反らせて俺の口の中で射精した。
全然オナニーしないのか、めちゃくちゃ濃い。喉にねっとりねばりつく精液に、普通なら気持ち悪いと思うはずが発情期フェロモンにやられた頭は甘いジュースのように錯覚する。
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