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第10話

初めて発情したのは高校一年生の冬。今から半年くらい前だった。 不規則にやってくるそれに最初は訳が分からなくて、周りに当たり散らすようになって喧嘩も増えた。 毎回毎回、発情期中に頭から離れない言葉がある。 『後ろにハメてほしい』 『何度も中にだしてほしい』 『孕ませて欲しい』 気持ち悪くて気持ち悪くて、自分じゃないみたいで、耳を塞いでもどこからか聞こえてくる声に嫌悪を抱いていた。 それなのに、なのに… 「ぁ、あっ…はいって、んんっ!」 「…っ、はー………あ、ゴムしてない」 待ちに待った俺の尻はなんなく桜井を根元まで受け入れ、中を広げられる感覚に気持ちよすぎて軽くイッてしまう。ぴゅっと飛び出た精子が俺の腹に飛んだ。 「ゴムとかいいからぁ…っ!はやく、うごけよぉ…も、中ちんぽでぐちゅぐちゅにして…」 「……もうほんとえろい」 堪らず軽く腰を揺らせば桜井が小さく息を漏らして、余裕のないような声で独り言のように呟くと腰を動かし始めた。 ゆっくりゆっくりとした動きがもどかしい。もっと奥を痛いくらいに抉ってほしいのに… 思わず桜井を睨めば、苦笑された。 「いや、だってあんま激しくすると気持ちよくてすぐ出そう」 「…知らねぇし」 もう待ってられないと体勢を変えることにした。体を起こして次は俺が桜井を組み敷き、腹の上に乗る。いわゆる騎乗位。 「ぁあっ、イイッ…きもちぃ…!奥までくる、すっご…」 重力に従って桜井のモノはより深く俺の中まで入ってきて、桜井の腹の上に手を置くと俺は腰を上下させ始めた。 カリの張った先端を好きなところにゴリゴリ当てれば快感でもう腰は止まらない。 「ひっ、ぐ…あっ、あんっ!なぁ、はやくっ…おれの中にだしてっ…精子ほし…!」 「っそんな、激しくされたらも、まじででる…っ」 とまらない腰にばちゅばちゅと肌のぶつかる音と水音が響いて、桜井が低く呻いたと同時に中のモノがびくびくっと震えて熱いものが内壁に放出された。 ずっとずっとほしかった。 体中が、めちゃくちゃ喜んでいるのがわかる。俺はするりと桜井の首に腕を回して、ねだるように首筋に擦り寄る。 「さくらい、もっと…」 起こした体を再びマットに勢いよく押し付けられて、さっきとは比べられない程激しく中を穿たれた。 一度射精して少し余裕がでたらしい。 「ああっ、ぅ、はげし…ぃ、んあっあっ!」 「ぜんっぜんまだ出したりない…っ、ほんと煽るだけ煽ってさぁ…責任とって満足するまで付き合ってね」 腰をがっちり掴まれて、桜井の好きなように体を揺さぶられてそれが気持ちよすぎて何度も何度も射精する。桜井も、もう何回俺の中に出したかわからない。 尻がふやかるくらいになった頃もう何度も意識が飛びかけたり、その間に発情期がだんだん治まってきて頭が冷静になってきた。 前回と違って記憶はしっかりはある。ていうか、俺、発情期おさまってきてる、のに…! 「も、もぉむり…!さくらいぎぶ、おれ発情期終わっ…ぁあっ!」 「発情期とか関係ねーし満足するまで付き合ってっていった、でしょ!」 「やだ、いやだぁ…っ!も、まんぞくしたから、やっ、ぅあ、あんっ!」 俺はもう発情期が治まってるはずなのに、桜井はなぜかとまらない。フェロモン出てないはずなのに、なんでだよ! 結局昼から延々とヤり続け、気がついた頃には放課後。運動部の部員が倉庫に来る時間になればさすがの桜井もようやく止まって、名残惜しげな桜井と共に焦って逃げるように倉庫を出た。 「…俺ん家くる?」 「行かねーよバーカ!」

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