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第24話

二人が俺をまじまじと、少し熱っぽい目で見ている理由はわかっている。そう、わかってる… 「すっげぇフェロモン…」 「ほんといつもタイミング悪いよね…」 シたい、ヤりたい、犯されたい。 徐々に頭がぼーっとしてきて熱を帯びてくるこの感じは忘れもしない発情期。 タイミングが悪いのは自分でも十分理解しているが、コントロールできねぇんだからしょうがないだろ…!俺の心の叫びは当然聞こえることなく、浜岡は観察するように俺を眺めていたが突然俺の掴んでいた腕をぐいっと引っ張り、いきなりのことにもう片方の桜井の手は簡単に離れて、気づけば浜岡の腕の中へ。 桜井の甘いムスクの香りとは違う柑橘系の匂いにまじって、アルファの匂いがしてくらくらする。なにより拒めないのが悔しくて、心とは裏腹に動かない体を恨めしく思う。 「やっぱいいな、フェロモンの匂いも好みだわ。俺の番にぴったり。別に付き合ってないなら俺がもらってもかまわないしな」 「おいふざけんじゃねぇ、俺のだって言ってんだろ!つーか離れろ!笹塚に触んな!」 なにやら言い合いをしている二人の声は聞こえるが、何を話しているのかはもう発情しきった頭では聞き取ることができない。そんなことよりも俺の体がまた変なことになっている。 俺の体はひたすらにアルファを求めているのだが、どこかで浜岡の腕の中にいることに対して拒絶反応が起きていた。『違う、こいつじゃない』頭の中で誰かがそう言っている気がする。こいつじゃなけりゃ誰だよ、そう問いかけてみるが返事は返ってこず、考えた末、無意識に俺の目線は桜井のほうに向かった。 「さくらい、はやく…」 「ほら、聞いた!?こいつの体はてめーじゃなくて俺を求めてんの!わかったら離せ」 浜岡は残念そうに俺を腕から解放すると、俺は近くに歩み寄ってきた桜井の首に腕を回してすり寄り甘える。桜井は深い溜息を吐いて俺を抱きしめながら、浜岡に睨んだ。 「今からヤるからでてってもらえる?」 「嫌だ。手出さないから見せろよ」 「は?なんで俺がかわいい笹塚の痴態を他のアルファに見せなきゃなんねーんだよ、はやく出てけ」 「さくらいむり、はやくしろ…後ろほしい」   「お前を取り合ってんだよ、ちょっと待っててまじで」 なんの言い合いしてるかまったく頭に入ってこねぇし、今の俺は目の前にいる桜井にはやくはやくとねだるオメガでしかない。それでも触れてこようとしない桜井にしびれを切らした俺は、その場にしゃがみこんで勢いよく制服のズボンを下した。 「ちょっ、ささつか、」 「ガチガチじゃん…」 こいつの性器はすでに完勃ちしていて、こんなんなってんならさっさとヤれよと思わなくもないが、小言は後にして俺はそれを慣れたようにぱっくり咥えた。最初は抵抗しかなかったが今はもうフェラが好きでしょうがない。とくに二週間我慢した身にとっては、ここから香る雄フェロモンには理性なんてあってないようなもんだ。浜岡がいようがいなかろうが関係ない。 桜井に教えてもらった通りに、上目で見上げながらまず裏筋を舌で何度かなぞった。頭上で熱のこもったと息が聞こえる。桜井はこれが好きなんだそうだ。裏筋を何週かしたあとに鬼頭を口に含んで舌で包み込むように、飴を舐めるように口内でころがす。 そうすると先端から先走りが漏れ出してきて、それをじゅうっと吸って飲み込んだ。そのあとはもう嗚咽しそうになりながら竿を飲み込んで、自分の唾液と先走りの滑りを借りながら竿を扱く。その間、桜井は俺の頭を優しく撫でていた。

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