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第31話
桜井くんが笹塚くんに挿入して、笹塚くんが、浜岡くんの、ち、ち、ちんこを…!!!
「うらやましい…!」
ついつい声が出てしまって慌てて手で押えるが、三人は行為に夢中なようで気づいていない。あの感じ、笹塚くんってオメガだったんだ…?アルファの気配は感じたことないから勝手にベータだと思ってたけど…
転校初日の自己紹介情報で、浜岡くんは可愛い子が好みみたいだったから、笹塚くんに手を出してるのは意外。それかただオメガの発情期にあてられただけかな…?
それならもしかしてオメガの俺にもチャンスある?
それにしても今抜いたばかりなのに、赤らんだ顔と呼吸荒くしている浜岡くんを見ていたら下半身が…
あぁ…頭掴まれて喉奥ガンガンされてる…俺もされたいなぁ…
夢中でこそこそ眺めていたら情事が終わってなにやら浜岡くんと桜井くんが揉め始めた。
「俺本気でお前落とすことに決めたから、覚悟しろよ」
浜岡くんの芯のある凛とした声だけ、これだけはっきりと聞き取れた。それはどうやら笹塚くんに向けられて言われた言葉のようで、それを深く考える前に笹塚くんが教室を出ようとしていたのでサッと隠れた。
浜岡くんは笹塚くんのことが好き…ってこと?
予想外のことに固まっていたら、すぐに桜井くんも出てってしまって、浜岡くんも少し遅れてでてきた。
「なにしてんだ、お前」
「えっ!」
桜井くんも笹塚くんも俺のいる方とは逆の方に向かっていったけど、浜岡くんだけは僕が隠れている方向に歩いてきて、たまたま見つかってしまった。
しゃがみこんで物陰に隠れている俺を見て、浜岡くんは綺麗な顔を歪ませて怪訝げに見ている。情事後の浜岡くんすごくえろい…フェラしかされてないなら俺のお尻貸すのに…
とは言えず、あはは〜…と適当に笑う。
「えっと、三人が教室にいるのが見えて…あの、咄嗟に隠れちゃったんだ。…浜岡くんって、笹塚くんが好きなの?」
おもいきって聞いてみた!
けれど浜岡くんは、綺麗なお顔の眉間にシワを寄せて俺を睨む。
「お前に関係ないだろ」
そういって去ってしまった。
大いに関係あるんだけどなぁ…!
でもあんなに近くで睨んでもらえて正直嬉しみの極み。ありがとうございますって言いたいけど、言えるような間柄でないことが悲しい。
俺は小さく溜息を吐いた。
◇
「さ、笹塚くん…!」
俺は昼休憩の際に桜井くんとどこかに行ってしまう笹塚くんを追いかけて屋上にやってきた。屋上に来るのは初めてだけど、案外簡単に来れるんだ。
笹塚くんと桜井くんはとても仲良さそう…少し笹塚くんが嫌そうにしてるけど、仲良さげにお昼を二人で食べていて、俺が声をかければ少し驚いたような顔を二人がした。
「誰だてめぇ。気安く名前呼んでんじゃねぇぞ」
「あ、俺と同じ教室の楠でしょ?どうしたの?こいつに用あるの?」
凄む笹塚くんに思わず小さくヒッと声が漏れたが、すかさず桜井くんが覆いかぶさるように声をかけてくれたお陰で、俺は少しビクビクしながらも2人を交互に見た。
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