8 / 10

第8話

 美しい雄だ。  ずっと欲しくてたまらなかった。 「雄に挑まれ、胸が高鳴らない戦士がいるかよ」  こんなにぎらついてと、頬を撫でる手。それを掴んで口づけをする。 「嬉しい事を言ってくれる」  肌を撫でまわし、胸へと唇を吸いついた。 「んっ、クレイグ」 「いつも、水浴びをするお前を見る度に、舐めまわしてやりたいと思っていた」 「はっ、女の肌じゃ、あるまいし」 「お前の肌は美しいよ。ここだってぷっくりとさせて」  舌で嬲られて唾液で濡れた真っ赤に色ついた部分を、今度は指でつまむ。 「んぁ、そこばかりではなく、お前のデカブツを後ろによこせ」  準備は万端だと足を広げてみせる。  いつのまに用意していたんだ。しかも後でイくことを覚えたのだと言う。 「あぁ、もう、いやらしいなぁ、宗は」  繋がりあって共に高まりあう。それをずっと夢見ていた。だが、クレイグは駄目だと言って首を横に振るう。 「帰りがある」 「平気だ。負担はあるだろうが、軟な体はしていないぞ」  たしかにそうだろうが、入れてしまったら一度では済まなくなる。ここへの負担は宗が想像する以上のものになりそうだ。 「駄目。今から長い道のりを馬で帰らなければならないんだ。若い時とは違うんだからさ」 「こんな時に年寄扱いかよ」 「これからはいつでも繋がりあえるだろ?」  だから家に帰るまでお預け。クレイグの反り立つモノを宗のモノへと押し当てた。 「ん、クレイグ」 「今はコレだけな」  濡れた互いのモノはぬちゃぬちゃと音をたてて擦れ合う。その度に芯が振るえて声を上げる。 「ふ、あっ、クレイグ」 「ん?」 「すき」 「俺もだよ」  互いに欲を放つとそのまま草の上へ横になる。すると互いの手先が触れ、クレイグは宗の手をとりぎゅっと握りしめた。 「やっと手に入れた」 「俺は随分と待たされたけれどな」 「うっ、その分はちゃんと埋め合わせするから」 「当たり前だ。うんと甘えさせてもらう」  宗が寝ているクレイグに覆いかぶさると、ちゅっと軽くキスをして身を起こした。 「宗?」  もう少しだけイチャイチャとしたかったのに。名残惜しくてその手を掴む。 「まだやることは残っているだろう?」  そう自分の耳に触れる。その仕草で何が言いたいのかに気がつき、立ち上がり身なりを整えてポケットから箱をとりだす。  宗は馬にくくりつけた袋を外してこちらへと持ってくる。 「クレイグ、お前から先に」  箱を手渡すと、それを受け取ったクレイグが中からカフスを取り出す。 「宗、俺の伴侶としてこれから先も傍にいてください」  耳に飾り、そしてキスをする。 「あぁ。やっとお前を手に入れたんだ。誰にもやらん」  愛している、と、袋から銀の剣をとりだし、そして手紙と共に手渡した。

ともだちにシェアしよう!