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第8話
美しい雄だ。
ずっと欲しくてたまらなかった。
「雄に挑まれ、胸が高鳴らない戦士がいるかよ」
こんなにぎらついてと、頬を撫でる手。それを掴んで口づけをする。
「嬉しい事を言ってくれる」
肌を撫でまわし、胸へと唇を吸いついた。
「んっ、クレイグ」
「いつも、水浴びをするお前を見る度に、舐めまわしてやりたいと思っていた」
「はっ、女の肌じゃ、あるまいし」
「お前の肌は美しいよ。ここだってぷっくりとさせて」
舌で嬲られて唾液で濡れた真っ赤に色ついた部分を、今度は指でつまむ。
「んぁ、そこばかりではなく、お前のデカブツを後ろによこせ」
準備は万端だと足を広げてみせる。
いつのまに用意していたんだ。しかも後でイくことを覚えたのだと言う。
「あぁ、もう、いやらしいなぁ、宗は」
繋がりあって共に高まりあう。それをずっと夢見ていた。だが、クレイグは駄目だと言って首を横に振るう。
「帰りがある」
「平気だ。負担はあるだろうが、軟な体はしていないぞ」
たしかにそうだろうが、入れてしまったら一度では済まなくなる。ここへの負担は宗が想像する以上のものになりそうだ。
「駄目。今から長い道のりを馬で帰らなければならないんだ。若い時とは違うんだからさ」
「こんな時に年寄扱いかよ」
「これからはいつでも繋がりあえるだろ?」
だから家に帰るまでお預け。クレイグの反り立つモノを宗のモノへと押し当てた。
「ん、クレイグ」
「今はコレだけな」
濡れた互いのモノはぬちゃぬちゃと音をたてて擦れ合う。その度に芯が振るえて声を上げる。
「ふ、あっ、クレイグ」
「ん?」
「すき」
「俺もだよ」
互いに欲を放つとそのまま草の上へ横になる。すると互いの手先が触れ、クレイグは宗の手をとりぎゅっと握りしめた。
「やっと手に入れた」
「俺は随分と待たされたけれどな」
「うっ、その分はちゃんと埋め合わせするから」
「当たり前だ。うんと甘えさせてもらう」
宗が寝ているクレイグに覆いかぶさると、ちゅっと軽くキスをして身を起こした。
「宗?」
もう少しだけイチャイチャとしたかったのに。名残惜しくてその手を掴む。
「まだやることは残っているだろう?」
そう自分の耳に触れる。その仕草で何が言いたいのかに気がつき、立ち上がり身なりを整えてポケットから箱をとりだす。
宗は馬にくくりつけた袋を外してこちらへと持ってくる。
「クレイグ、お前から先に」
箱を手渡すと、それを受け取ったクレイグが中からカフスを取り出す。
「宗、俺の伴侶としてこれから先も傍にいてください」
耳に飾り、そしてキスをする。
「あぁ。やっとお前を手に入れたんだ。誰にもやらん」
愛している、と、袋から銀の剣をとりだし、そして手紙と共に手渡した。
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