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第19話
「深雪の中に挿っている指はどうする?」
キスマークを残さないという一見他愛のない条件が、深雪の純白の大理石のような素肌に唇や歯で噛んでたった一夜とはいえ晶の証を刻みたい切迫した衝動とせめぎ合ってしまう。
ただ、提示された条件を守らなければ、甘く乱れた深雪の肢体も即座に大理石の冷たさを即座に取り戻すような気がした。
晶が知っている過去の一夜限りの熱い疼きを持て余した人とは異なり、深雪の場合何だか情事が「儀式」でもあるので、タブーを犯せば即座にこの洋館から追い出されそうな予感がする。
甘く淫らに蕩けた痴態を晒しながらも、どこか厳かな神聖さをも保ち続けているのは生来の硬質な美貌のせいだろうか。
「指……晶が、好きなようにして良い。僕は条件さえ守ってくれれば、それでっ」
昂った下半身同士を押し付けると湿った音と熱さがとても扇情的だった。
次第に深雪の腰が高く掲げられて、晶の腰に足が絡められた。
「んっ……早く……欲しいっ……晶ので……僕の身体を……感じて」
いつもそうやって男を誘うのだろうと思うと、割り切った積りでも昏い独占欲が胸の奥でジリジリと音を立てているようだった。
「男を銜え込んだ最中の深雪のソコ、指で直接触れたことはあるのか?」
夜毎に違う男を相手にしているのだから、色々なプレイを愉しんだことは想像に難くない。
「んっ……それは、一度もない」
経験があると言われれば指は退いてもらう心積りだった。
「じゃあさ、深雪の細い指も、オレのを感じればいい。男に馴れた身体なんだろ?たまには深雪の指も男の熱さを感じれば良いじゃないか?」
晶も直接深雪の中で思いっきり突き上げたい。ただ、毎晩娼婦のように違った男とそういうコトをしているだけに、感染症のリスクは高いことも考慮しなくてはならない。
男の嗜みとしていつも持ち歩いている避妊具をポケットから取り出して手早く装着する。
「深雪望み通り挿れてやる。指は、好きなように動かせば良い。深雪の前立腺を弄ろうが、オレのモノを愛撫しようが」
先端部分を淫らな穴に押し当てる。
「ん……晶……早く……頂戴。僕の中へ……んっ……。イ……イっ」
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