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第21話

 喘ぎ声も天使の可憐さと清純さなのに、内容は深雪の悦楽の深さを淫らに伝えてくる。その落差がたまらなく良い。 「大きく抜き差しされる方が、深雪は感じるみたいだな……。オレの腹に当たっている深雪のも今にも弾けそうだしさ」  繋がった部分からは淫らで甘美な水音が豪奢な部屋を淫靡な空気に染めていく。  ただ、この部屋は毎晩違った男との痴態を静かに眺めているのだろうけれども。 「出来れば……晶と……同時に……弾けたいっ」  健気な口調は手練手管の一部、なのだろうか?  紅に染まった唇から薔薇色の喘ぎ声を零すのもとても綺麗でそして淫らだ。 「そういうコト、皆に言っているんだ?」  唇の輪郭を確かめるように指で辿ると、深雪はとても気高い天使の顔を一瞬だけ取り戻す。その顔は肖像画の通りの秀麗さだった。 「皆には……言ってない……。思ったままを……言ってみた……だけっ」  多分それは本当のことだろう。一晩中嵌めさせた話しまで赤裸々に語った深雪がこんなことで嘘をつく理由は思い当たらない。 「それは、光栄だな……。ただ、ゴムをそんなには用意していない」  深雪の熱い身体の中と指の動きを愉しみながら律動を刻む。 「んっ……悦……いっ。ゴムなら、ベッドの……サイドテーブルの……引き出しに……入って……い……るっ」  屋敷中で男を迎える準備をしているのだから、その程度の用意はしてあっても全く不思議ではないが。 「じゃあ、次は、ベッドでお愉しみと行こうか。純白のシルクに包まれた深雪も綺麗だけれど、何も着ていない深雪とも抱き合いたいし」  一際深く深雪を欲望の熱い塊で抉った。 「ああ、晶の……好きなように……して……。もうっ……ダメっ……」  艶やかな紅色に染まった堕天使の顔に汗の雫が宿っていてとても綺麗な煌めきが加わっている。切羽詰まった欲望を訴える肢体が若木のしなやかさで撓んだ。  思わず背中を抱き留めてしまう。 「オレも……逝って……良いか?」

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