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第23話
ただ、絶頂を迎えようとする肢体は汗の雫を零しながら嵐に堪える若木のように震えていたが。
さっきの場所を目がけて大きく身体をグラインドさせる。晶とてそうそう余裕はないのは深雪と同じだったので。
繋がった部分からは狂おしくも甘美な淫らな結合音が奏でられる。
深雪の素肌も艶やかな紅色に染まって汗の雫が強く揺さぶられる度にシャンデリアのオレンジ色の光を反射して煌めいている。
「んっ……も……うっ、ダ……メっ」
重ねた唇が晶の動きでずれてしまう。
絶頂を極めそうな深雪の美貌は無垢な艶やかさに眩暈がするほど綺麗だった。長い睫毛にも涙の雫が宿っては煌めいている。込み上げる欲情に強張った肢体は純白のシルクに良く映える清純な紅色に染まっている。
「オレも、そろそろ逝きそうだ」
深雪の極上の内壁は毎晩男に開かれているのが俄かには信じられないほど良く締まって精妙な動きで晶の欲望の灼熱の証をしなやかに迎え入れてくれている。
こんなに興奮で昂る情事も晶にとっても珍しい。大粒の汗の雫が身体を伝っていくせいと深雪の望む場所を力強く衝く律動とが相俟って背中に回されていた腕が毛足の長い絨毯へと滑り落ちていく。
その手を思わず掴んでしまう。それもいわゆる恋人繋ぎの形でだ。
涙の雫がダイアモンドの粉を纏ったかに見える長い睫毛が微かに動く。ゆうるりと開かれた目が驚いたような光も宿している。
「そんなに驚くようなコトか?」
絶頂を少しでも遅らせる方がお互いの快楽も増加することは知っている。
「んっ……キスとか」
顰めた眉の間すら壮絶な色香を放っている。無機質な感じの冷たい美貌が情事の際はこんなにも生々しい美しさで咲き誇るのだから、深雪にハマる男が居ても全く不思議ではない。
「キスとか……何?」
深雪の奥処を犯す感じが背徳めいた深い悦楽を運んでくる。繋がった場所にも深雪の先端から零れる雫でぐっしょりと濡れている。
唇を啄ばみながら絡めた指の力を強くすると、深雪も同じ強さで握り返してくる。
絶頂の目眩く予感に必死に耐えていると、大粒の汗の雫が深雪のシルクの夜着に降り注いでいく。
「こんな……風に、手を……繋がれた……こととかは……初めてで……」
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