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第24話
過去の男達だって晶と同じ条件を提示されたのだろう。肢体は好きに扱っても良いと言われて、深雪の天使めいた美貌とメリハリの利いた細い身体を実際に見れば身体だけを熱くさせることに熱中する気持ちも分からなくはない。
「即物的にさ、手っ取り早く抱かれる方が好きなのか?」
中にはそういう嗜好を持つ人間もいる。ただ、深雪の場合は多分違うだろう。
「も……うっ……限界っ……」
より大粒の涙がダイアモンドよりも綺麗な雫が堕ちた神聖さを感じさせる煌めきを放つと、紅色に染まった滑らかな顔を彩りながら零れ落ちていく。
「好きなだけ、逝けばいい。もっと力強く衝いてやろうか?ココだろう、深雪の感じる場所……」
一際力強く穿つと、深雪の肢体全体がヒクリと動く。
「んんっ。キスしてっ……欲しっ」
唇を重ねた瞬間に深雪の迸りが腹部に飛び散った。逝く最中の深雪の奥処も大きくうねる。その渦に巻き込まれるように晶も禁を放った。
「凄く……悦かった。深雪も満足してくれていたら、とても嬉しい」
お互いの荒い呼吸を重ね合わせるように、唇を啄ばむ。キスの度に熱い吐息を零すしなやかな肢体が若木のように撥ねる。依然として繋がった場所は深雪の肢体が撓むたびに晶への精妙な締め付けが新たな快楽への前奏曲だ。
純白のシルクの夜着は深雪と晶が零した汗の雫で綺麗な肢体のラインがますます露わになっている。胸の野苺の紅い飾りがとても綺麗で、触らずにはいられない。
「ん……。僕もとても……感じた。僕が僕でないような不思議な浮遊感は初めてだ」
目を閉じていてもハッキリと分かる長い睫毛に涙の雫が煌めいている。甘く蕩けた心と身体が満たされた淫らな天使の笑みを浮かべる姿はとても背徳的で、そして征服欲をそそられる。
深雪は条件を守る限り嘘はつかないような気がする。普通なら隠しておきたい類の過去の経験もあからさまに語っていたのも事実だ。
「初めて……とは、とても光栄だな。しかし、深雪の弱点を他の男は衝かなかっただけじゃないのか?一晩中、挿れ通しのヤツも居たのだろう?そいつなら絶対に分かったはずなのに、な?」
どんなに深雪が聖なる淫らさを兼ね備えた、つい押し倒したくなる魔性の美しさの持ち主でも、床でコトに及ぶのは酷だったような気がして、絹糸のような湿った髪を梳くことにする。毛足の長い絨毯なので、背中に傷はつけていないはずだ。
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