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第48話

 「告白してみろ」というけしかけの言葉でも分かる。手っ取り早く身体の関係からは入れないような清楚な人なのだろう。そうでなければ、「アイツは早くヤれる」という評判が立っていただろうから。そういう点は異性愛者と同性愛者の変わりはないハズだ。 「僕が泣くと晶が困るの?それは、嬉しいな。そんなに大切に思ってくれているのだと思うと。僕をそんな風に見てくれる人なんていなかったから。『綺麗だ』とかは散々言われたけど、その後で『その綺麗な顔がどんなに淫らに歪むのかを見たいし、涙を見せればよりいっそう興奮する』と必ず続いたからね。僕もこの形が身体に現れるまでの我慢だと思ってずっと耐えて来たのだけれども」  ベッドに押し倒して深雪の身体の外と中を直接感じたい欲求は当然持っている。だた、深雪の涙と心の底から嬉しそうな笑顔をずっと見守っていたいという気持ちの方が強かった。 「なあ、深雪、気になっていたんだが、『主人の証』は絶対に必要なものなのか?深雪がベッドの上で男達の劣情を毎晩受けても平気なくらいに?  そして、深雪の家に伝わる通過儀礼はとても特殊だよな?高校まで普通に生活していたのなら分かるだろう?オレを信頼してくれているなら、という前提なのだけれど……話してみてくれないか?大丈夫、オレはマスコミ志望でそれも出版社の雑誌記者になるのが夢だから、口は堅いと思う」  深雪は「主人の証」だと言っていた。二十歳というのも本当だろうし、そうならお父様は40~50代のハズだ。その人が「主人」なのではないだろうかと思ってしまう。 「オレは今すぐにでも、深雪専用の新しいベッドの中で深雪を感じたいよ、本音を言えば。深雪が早くそうしてもらいたいのなら、そうするけど、オレは先に深雪の話を聞きたいんだ。お互いを知りたいというのは恋人として普通のことだから」  深雪の艶やかな果実のような肢体と、紅色に染まった初心な堕天使の顔にはたまらなくそそられたが、このまま押し倒してしまえば過去の男達と同じだろう。 「普通の恋人って話しから始めるんだね。じゃあ、そうする。本当は、晶に恋人として抱いてもらいたいのだけれど。  晶はどこの出版社に就職したいの?」  深雪の細い腰を晶の手でリードしてベッドへと腰を掛けさせる。並んで腰を下ろすと深雪の私室には相応しいシルクの純白のシーツと羽蒲の軽やかな羽布団だった。

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