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第5話
vommitに登録すると
好きな投稿者を一人だけフォローすることが出来る。
フォローをしておくと、新曲が投稿されたり等、
何かしら動きがあった時に通知が来るから便利なのだ。
また、投稿者には「掲示板」なるものが存在していて
そこではTwitterのように投稿者が何かしらの言葉を
ファンに向けて発信することが出来るようになっている。
ただ、一日一言という決まりがあるため、
大抵の投稿者たちは「週末新曲投稿します!」などの
お知らせに使っているようだ。
そして、その掲示板は
新曲を投稿後一日だけコメント機能が解除される。
つまり、その24時間の間にコメントをすると
投稿者に感想を送ることが可能というわけだ。
azuが投稿したのは昨日の20時。
つまり24時間後の今日の20時までにコメントしないと、
もう新曲についての感想を
azuに伝えることは出来なくなる。
俺は家に帰って早速vommitを開いた。
お気に入りの欄からazuのページへ飛ぶ。
掲示板を開くと、コメントは120件を超えていた。
すっげぇ。さすがazu。
前回の投稿では確か60件ぐらいだったか。
ぐんぐんと人気が伸びていて恐ろしさすらある。
才能があるってこういう人の事を言うんだろうなぁ。
初投稿とか、まだ2ヶ月とか、
才能のある人にとってはそんなもの関係がない。
他の人のコメントを読む。
「azu*l96ura»今回も素敵でした!高音綺麗すぎるし、サビのコーラスが好きすぎる…」
「azu*lkyo5s»最高!優しい歌声にやられました♡」
「azu*lbbnbn»わ〜〜〜待ってました(;-;)!!
あずくんの歌い方がすごく好きで、語りかけるみたいな優しい歌い方とか囁くような歌い方とか大好き♡
今日は早めにぐっすり寝てください(*´ー`*)」
見事にazuを賞賛するものばかりで
一人うんうんと頷く。
分かる。
azuって最高だよな。
と、嬉しくなると同時に少しのモヤモヤ。
俺が見つけたのに。
多分、俺が一番に見つけたのに。
初めて聞いた瞬間に絶対人気でるって思ってたし…。
ぶんぶんと頭を振って余計な思考をかき消す。
…なんて、面倒くさいファン。
こういうの、古参って言うんだっけ?
いや、まだ活動歴の浅いazuのファンは、
今のところ全員古参になるのか。
じゃあいつから新規になるんだ?
古参の定義とは。
俺は溜息をつきながら
コメントを書くためにもう一度azuの曲を流した。
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