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第20話

カシャッと音がした方に顔を向けると sakuさんが携帯を構えていた。 「え、撮りました?」 「うん、Twitter用」 さらりと言われ、ギョッとする。 sakuさんはこまめにツイートをする ファン想いの投稿者である。 顔出しは大っぴらにはしてないが 目だけ見せていたり 時にはスタンプで顔を隠したりして写真をあげている。 さっぱりと短く切られた髪の毛に 健康的で爽やかな顔立ちをしているsakuさんは 声も見た目通り爽やかで 女性ファンから絶大な人気を誇っている。 ちなみに俺のファン層は男性4割、女性6割らしい。 意外に男性ファンが多いことにびっくりした。 男性より女性の方が年齢層が低いとのこと。 どこからの集計結果なのかは不明だが。 「ちょ、ちょ、待って!俺写ってるよね?!」 「だって、あずくんなうってツイートする予定だもん」 「やだ!だめ!」 俺の反応を見てsakuさんはニヤニヤ笑う。 「だめ、とかかーわいっ」 「ふざけてないで、それ消してください」 「わかったわかった、んじゃ、撮り直そう。 それならいいだろ?」 いや、全然良くない。 けど、さっきのをTwitterにあげられるよりはマシか、 と俺は渋々承諾した。 sakuさんはもう一度携帯を構え 手だけが画面に写るように撮ろうとしている。 どうやら、俺の顔が映らないように 配慮してくれているようだ。 でも、俺は手すら晒したくないんだよなぁ。 着てきた服の袖を伸ばして、 手を隠したまま写真に写ることにした。

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