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第24話

「あずくんおめでとーう!」 sakuさんとkororiさんがパチパチと手を叩いた。 俺の初投稿曲、「僕を見つけてくれた君へ」が 再生数30万回を突破したのだ。 30万回って、実感できないけど、すごいな… 「30万回はすげーな!」 「うん、凄い凄い」 二人はそう言ってにこにこと笑いかけてくれる。 自分の事のように喜んでくれるのが嬉しい… お祝いと称してご飯に連れて行ってくれる その優しさも嬉しい… 「「僕を見つけてくれた君へ」から わたしがmix担当したかったなぁ〜」 kororiさんはグラスを揺らしながら呟いた。 kororiさんは二曲目の「JUICY」から mixを担当してくれている。 「僕を見つけてくれた君へ」を聴いて、 もし次曲を作るならmixをさせてほしいと わざわざボミメを送ってくれたのだ。 本当に周りの人に恵まれて生きている。 エンジニア、と言うと男の人だと思われがちだが kororiさんは女性である。 茶色く染めてふわふわとパーマのかかったセミロング。 いつも赤い縁の眼鏡をかけている。 「いや、もうほんと、kororiさんには感謝感謝です… いつもありがとうございます!」 ガバッと頭を下げるとkororiさんは 「あずはいい子だね〜よしよし」 と言いながら、俺の頭を撫でた。 kororiさんは24歳、俺より7歳も上だ。 普段、特に歳の差を感じることは無いが 時々こういうふうに、 まるで自分の弟かのように扱われることがあって そういう時はお姉さんなんだなぁと思ったりする。 「俺も撫でたい〜よしよし〜」 sakuさんもkororiさんの真似をして 俺の頭をさわさわと撫でてきた。 思わずその手を払い除ける。 「ちょ、やめてくださいっ!」 「なんでだよ、kororiだけズルいだろ」 「なんかsakuさんの触り方ぞわぞわするもん」 俺の言葉に、二人は顔を見合わせて笑った。 「あず可愛いわ〜ほんと好き」 「顔も可愛いのに性格もそれだからなぁ」 性格もそれ、ってなに? 二人といると 自分がひどく子供っぽく感じるから嫌だな。 早く大人になりたい。 強くて優しい大人になりたい。 「ところでさ、30万いったわけだし 記念に、さ?」 sakuさんは携帯を俺に向けた。 俺は眉をひそめた。 このパターン、知ってるぞ。

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