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第62話

伊咲からLINEが飛んできた。 「nyaoくんの放送にあずくん出るかも!!」 という文面とともにツイート画面のスクショ。 「17時から30分だけ放送するにょーん 珍しいゲストもいるにょーん ヒントは最近仲良くて可愛い子!」 これだけでazuと予想できるのもすごいが 確かにazuだと言われれば azuのことを言ってるような気もする。 伊咲のLINEは続く。 「nyaoくん、お昼頃あずくんとごはーんって パスタのツイートしてたもん!」 「絶対あずくんだよ!」 なるほど。 それは、azuの可能性が高いな。 俺は17時まで部屋で待機することにして ゴロリとベッドの上に寝転がった。 ************* 「nyaoでーす!こんばんは! 雑談放送するの久々かもね?そうでもない? え、前したの三日前?! 僕めっちゃ喋ってるじゃん、あははっ」 いつも通り、コメントを目で追いながら話す。 「なんか今日いつもより人多いね? もしかしてみんな期待してる感じですかぁ?」 Twitterのリプ欄にざっと目を通したら 「あずくんですか?!」ってものばかりで ちょっと笑っちゃった。 大正解。 みんな賢いね。 「はい、じゃあ、みんなの予想通りazuくんでーす」 »うわっ、まじでazu?! »ぎゃぁぁあぁぁあ »あずくーん »待ってました azuくんは恐る恐る口を開いた。 「…こんにちは〜…?」 「あははっ、緊張してる可愛い〜」 「これ、声聞こえてるの…?」 »聞こえてますよ〜! »聞こえる »OK »聞こえてます! 「聞こえてるって」 僕の言葉にazuくんはほっと胸を撫で下ろした。 「初放送だよね?」 「んー…そう」 僕はパチパチと手を叩く。 「azuくんの記念すべき初放送に立ち会えた皆様 おめでとうございま〜す!」 »888888888 »おめでとう〜! »ぱちぱち »やったー コメントが喜びに溢れかえるのを見て 僕も嬉しくなる。 っていうか、閲覧数どんどん増えてる。 こわ。 「何で放送することにしたんだっけ?」 「んーと、最近動画あげれてなくて 何かしなきゃって思って…」 「azuくん最近忙しそうだもんね。 いい機会だし、告知があるならしていいよー」 azuくんは首を捻った。 「えっと、いくつかコラボの話とか 楽曲提供の話とかかあるんだけど… えーと、どこまで言っていいんだろう…?」 ふむ、言えないってことは 結構大きなコラボに参加するんだな。 察して「とりあえず僕のは言っていいよ〜」と azuくんを促した。 「はい、じゃ、えっと、またnyaoに曲作ってます」 コメントがわっと賑やかになった。 「また一緒に歌おうよ!」 「えー、んー、じゃあ、俺も歌えるような曲作るね」 »コラボですか? »仲良し可愛い »あずくん一人称俺 »ユニット組んでほしい!! いつになく騒がしいコメント欄に僕は小さく笑った。

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