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第64話

ふいにazuくんは携帯を開いた。 「あ、待って、なんかボミメ来た… sakuさんだ…コラボの告知していいよって。 え、放送聞いてるの?」 くるんと目を回す。 「だってsakuさん、azuくんのこと大好きじゃん」 「有難いことです」 「azuくん、投稿者にめっちゃ人気だからさぁ」 「有難いです」 「あはっ、そういうとこだよ〜、もー、可愛いなぁ」 azuくんと話したいって人、結構たくさんいる。 僕の知り合いだと ロック調の曲を投稿してるvitaくんとか 編曲が得意なrukiくんとか。 気になってるのはファンだけじゃない。 僕ら投稿者だって、瞬く間に人気になった 素性の分からない「azu」のことを知りたいんだ。 azuくんは口を開いた。 「じゃあ、コラボの告知しまーす… えっと、sakuさんとrosaさんとmomoさんと kiraさんと僕の、5人コラボです。 mixはいつもお世話になってるkororiさんです」 「え!メンツ凄いね?!」 sakuさんとrosaさんの 人気、知名度ともにトップクラスの実力派に加えて ラップを歌わせたら右に出るものはいないmomoさん、 高音が綺麗と最近人気急上昇中のkiraちゃん、 さらに、謎に包まれた超大型ルーキーazuくん。 「そー、凄いの」 azuくんはヘラっと笑う。 「あと、もう一つ大人数コラボがあって そっちは今週末にあがるのかな? nyaoのは近々録るでしょ、 で、多分まだ言っちゃダメなんだけど、 来月に俺が作詞作曲して提供したのが上がるはず。 誰にかはまだ言えません」 「おー、活動的〜!」 「うん、俺最近頑張ってる」 素直に頷くazuくん。 「んーでもまだ沢山曲作りたいな」 「おお!凄いね!曲作れるっていいなぁ」 「nyaoも作れるんじゃない? っていうか、作詞向いてそう」 「え?ほんと?」 「うん。今度さ一緒に何かやってみようよ。 俺、日にち合わせるし」 「わーい!それは嬉しいけど、そんな個人的な約束、 こんな公の場でして大丈夫?」 「あっ」 azuくんは口を抑えた。 かっわい…ほんと天然なんだから。 「あ、オリジナルは今作ってるので もうちょっと待っててね、ごめんね」 「だそうでーす。みんないい子で待ってようね〜」 「ふふ…いい子」 何にツボったのか、azuくんはくすくす笑った。 ふと画面を見ると、終わるまであと2分ぐらい。 「あ、もう30分経っちゃう。 延長はしないよ〜みんなありがとう〜 azuくんもありがとうね」 「いや、こちらこそ誘ってくれてありがとう。 楽しかった」 azuくんの初放送はこうして幕を閉じた。 これを機にazuくんの放送が増えたらいいなぁ。 だって、僕もazuファンだから、放送聞きたいし。

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