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ドアを開けてすぐに俺の身体は宙に舞い、ぼふりと豊かな弾力のマットレスに沈んだ。
たぶん、俺の使ってるベッドよりいいやつ。シーツも枕もベッドも、手触りから弾力まで最高だった。
ぐるりと見渡した視界に映った整頓された室内の家具や小物も、ブランド品ばかりで目が点になった。そういえば、こいつが身に着けてる物ってやたらと高級なものばかりだった気が。
「ッ!? ちょ、おい待て待て待て待て何してる!!」
「脱がせてる」
何かご不満でも? といった表情のこいつほんとに信じられない。
「待て。俺はヤるとは言ってない」
「犯すっつったろうが暴れんな」
「だから! なんでそうなんだよ! 俺は男! お前も男!!」
判る!? とパンツごと下げされそうになっているズボンを掴んで噛み付くように問い掛けた。
男は恋愛対象外と豪語する男に大人しく抱かれるほど、俺は軽くない。ましてや、興味本位でなど。
俺の問い掛けには答えず、佐野はしつこくズボンにかけた手を離そうとはしない。マジしつこい。パンツのゴム伸びる! びろんびろんになる!!
「わかった、わかった! 手でしてやるから落ち着け! な!?」
ぴた、と手を止め佐野はゆっくりと顔を上げた。
――口も使えよ、と。信じられない言葉を吐き捨てて。
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