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「ッ、……ふ、」
やられる前に、やっちまえ。
吐き捨てられた言葉に舌打ちを返して、佐野をベッドに転がして足元に馬乗りになった。そのまま、奴が何かを言う前にジーンズのファスナーを引きおろしてそれを取り出して舌を這わした。
我ながら焦りまくって少しの余裕も色気もないけれど、これ以上佐野に上手に出られるのだけは避けたかった。
あれだけ犯す犯す言っておきながら何の反応も示していない奴自身に腹が立ったけど、構いはしない。
本当に口を使ってくるとは思っていなかったのか、指先をぴくりと動かしたまま息を飲んでいる佐野自身を両手で擦って、まだやわらかい筋を舌でなぞる。
同じ男だ。どこが弱くて、どこが気持ちいいのかなんて、聞かなくてもわかる。
「……ッ、くそ、」
尖らせた舌先で先端を突いたと同時に、佐野の身体が僅かに跳ねて押し殺した吐息が落ちてきた。
少しずつ反応を示して濡れていくそこが可笑しくて、妙な高揚感が沸きあがってくる。
いつまでも、好き勝手させるかよ。
佐野が反応した箇所を執拗に舐めて、濡らして、時折軽く歯を立てて。「下手くそ」となじられる前に攻め立てた。
立場が逆転した証に、余裕の無い佐野の指先が俺の髪をぐしゃりと掴んで咥内に欲を吐き出すまで、ずっと。
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