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 今朝、こいつに呼び出された時はこんなことになるだなんて思ってもみなかった。タイムマシーンがあれば、朝の自分に呼び出しには応じるなと言いたい。だから開発を急いで偉い人。 「ん、やる」 「あ?」  差し出されたのは、真新しい下着。  まだ使ってねえから、と告げた佐野は既に着替えを済ませていた。  ちらりとベッドの下に視線をずらせば、どろどろになった下着が無造作に転がっている。……うん、あれをまた履く気には正直ならないから助かる。 「……な、なんだよ着替えんだから見んなよ」 「お前の裸なんぞ散々見たけど」 「だから何だよ!!」  ぐっと顔が近付き、おでこがひっつきそうな距離で佐野は息を吸い込んだ。 「今んとこ、後悔とかしてねえんだけど。お前抱いても」 「な、っ」  知るかよ、と言いたくなるような言葉はまだ熱を持った吐息とともに吐き出されて思わず返事に困った。 「得、した?」 「はあ?」 「あれだけイったんだから、俺が与えるのは損ばっかじゃねえってわかったろ」 「はあ……」  こいつ、まだそんなことにこだわってたのか。  何を言ってんだお前はとつっこみたくなる言葉を、躊躇いなくどや顔で言っているからこれは本気の問い掛けなのだろう。ばかだろこいつ。  ぎらぎらと強い眼力に負けて、こくこくと頷きながら適当に「へーへー得いっぱい」と言ってやれば子どもみたいな幼い笑顔を浮かべて喜んでいる。 「知ってたー! お得物件佐野郁斗くんに損は無いって判ってたー!!」 「……」  誰だお前。

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