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第3話 悪い大人**

「んっ、あ、ぁっ…」 淫猥な粘着音が、狭い部屋の中に響く。 それが俺の中から出ている音だと思いたくなくて、部屋に視線を走らせ、俺は思わず現実から逃避しようとした。 そうして目に入った、食べ物から大人のオモチャまでの様々な自販機。薄ぼんやりと光るのが目に入って、気になって目を向ける。 しかし、そうして余所見をしていると、 「ほう、余裕あんじゃねえの」 「はっ、あぁあっ!」 中に入り込んだ指が、殊更激しく俺を責め立てる。 こっちは初心者だっつってんのに本当にわかってんのかオッサン、そう言って蹴りを入れたくなるが、そんな考えもすぐに飛散する。 「んあっ、あ、はぁあ、…ぅっん!」 「お前、だいぶ慣れてきたなぁ。最初は眉ひそめてたのに」 「う、るさっ…あ、あ、あぁっん、ん」 中の(オッサンいわく)”いいトコロ”を、2本の指で挟むように刺激されると、触れられてもいない俺の起立がトロトロと液を溢した。 「ひあっ?! や、めっそこ、んんぅっ、や、やだっ」 「やじゃねえだろ? こっちもこんなに悦んでるっつーのに」 お前がそういう風にしたんだろうがっ! そう言って殴り飛ばしてやりたくなるが、ふにゃふにゃに力が抜けた今の俺では撫でるくらいの威力しか出なそうだ。 「や、だっやめろってぇ…んんんっふ、あっ」 「そんなに嫌ならやめてやってもいいが…一体、何処がいやなんだ?」 そう言ってオッサンは、俺を攻める手を激しくする。 「この、ぐちゃぐちゃに解されて、くっぱり広がるようになってきた後ろか?」 「んぁあっ!」 「それか、出せないように縛られてんのに、こんなにトロトロになってるこれか?」 「ひ、ぅっ、んんっ」 「それとも、真っ赤になってふるふる震えてる、この胸の飾りか?」 「うああっ、はっぅう」 オッサンは、後ろを弄る手はそのまま、縛られてぎゅうぎゅうになってる起立を緩くしごいたり、悪戯に胸の突起を甘噛みしたりしてくる。 その度に俺は、オッサンの手の中でただ震えることしかできなくて、何を聞かれているかすらも頭に入ってこなくなっていた。 『初めて受け入れる奴は、出せないようにでもしとかねえと俺が出すまでに気絶する』そう言ったオッサンに前を縛られてしばらくたってるからか、頭が朦朧とするのがわかった。 初めて彼女とヤッた時ですらこんな飛んでなかった、そう思うくらいの恐ろしさで快感が昇ってくる。 しかし、そんな半分ぶっとんでるような感覚だったからかもしれない。 俺は、至極素直に欲求を口に出していた。 「もぅ、これ…っん、と、って…っあはぁっ!」 いやいやをするように全身をくねらせ、オッサンの腕を掴む。 まったく力の入っていないそれが、ただただオッサンを煽るだけになっていることも、この時の俺には気づけなかった。 「しょうがねえな」 そう言ったオッサンは、俺の反応を逃さないようにじっと見つめながら、涙を流す俺の起立に触れる。 しかし、その手は悪戯に俺を撫でるだけで一向に解放してくれず、焦れた俺は自分から腰を擦り付けていた。 「あぅっんんっ…なぁ、これっは、やく…っ!」 「そう慌てんなって。今はずしてやるから。…ったく、処女とは思えねえ色気だな…」 「んぅっ…な、に…?」 「なんでもねえよ。ほら、イけ」 一瞬、根元をぐっと持ったかと思うと、オッサンはリボン結びされていた紐の先をゆっくりと引いた。 引かれた反動で余計にぎゅうぎゅうと締められ痛いはずなのに、今の俺にはそれすらも快感だった。 そして、紐は解かれた。 「あっあああぁぁああっ!」 衝撃だった。 よく『頭が真っ白になる』という表現を聞いたりするが、そんな生易しいもんじゃない。 視界がチカチカして、頭はぐるぐる、そのくせ体はますます快感を拾い上げ始めて、本当に訳が分からなくなった。 「ほら、まだ飛ぶな」 「んああっ!」 しかし容赦ないオッサンは、そんな俺を見かねて後ろのいいトコロをえぐってくる。 しかも、まだ出てる前も容赦なくしごいてくるというオマケつきで。 「や、らっ…ああぁっまら、でてう、から…っふあああ!」 「でも、キモチいいんだろ? 素直になれよ」 『そうしたら”ご褒美”やるけど、どうする?』 耳元で囁かれたその言葉に、身体がぴたりととまる。 ぐずぐずに溶けていた頭が一瞬だけ働き、オッサンの言葉を一生懸命に飲み込んでしばらく、俺は思った。 『オッサンがほしい』 と。 それが答えだった。 「んっきもち、いい、から…!」 「おう、そんで?」 「ふ、ぅ…だからっ…」 「だから?…って、うお?!」 ドスンッ いい音がして、キングサイズのベッドが揺れる。 満足感で俺の口角が上がってきて、その多幸感のまま下に視線を移せば俺はもっと上機嫌になった。 そこには、驚いた表情で俺にまたがられたオッサンがいたからだ。 調度いい位置にまたがったせいか、オッサンの熱いものが俺の尻の下にいて、ちょっと感じた。 そして俺は、自分でもわかる獰猛な表情でオッサンに呟いた。 「だから…オッサンのこれ、喰わせろ」

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