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第14話、椅子
椿様と四ノ宮と呼ばれた客人は会話を楽しんでいる。
そんな中、椿様の綺麗な指がアナルを撫でた。
でも動いてはいけない。
声も出してはいけない。
だって椅子なのだから。
椅子は動かないし、声も出さない。
「…っ!!」
「ほら、椿様が落ちてしまうよ。」
ひんやりとした感覚に身体が強張った。
後孔に差し込まれたのは空の酒瓶。
いくら細身といってもまだ拓いていない奥を刺激され手をきつく握り締める。
グリグリと奥を抉るそれに痛みを感じ背中を動かしてしまうとバシンッと客人に叩かれた。
不意の刺激にびくんっと大きく背中を揺らしてしまい、椿様が揺れるのが解った。
「椿様が落ちるだろ。」
客人の低く冷たい声。
キュウッと締まる孔に固くて冷たい瓶が入れられているのだと自覚すると早鐘を打つ。
「っ…」
「はははっ。
あー、すっごいヒク付きはじめた。
こういうのが好きなんだ。
椅子のくせに贅沢だね。」
贅沢…
そうだ、椿様に座ってもらえるなんて贅沢だ
それに椿様は僕の卑しい孔を綺麗と褒めてくださった
努めなくては
「あれ、急にやる気出したね。
椅子の自覚でも出てきた?」
「貴方は椅子です。
座り心地の良い椅子。
まだまだ時間は沢山ありますよ。」
はしたない尻臀を撫でる椿に椅子は喜びを感じる。
しあわせだ。
「良い子ですね。」
背中に感じる椿の体温、重み。
僕は椅子。
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