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ー友情ー17

「なぁ、和也がもし男に告白されたらどうするんだ?」  望は本当に和也の気持ちは全くもって分かってないのでだろう。 そんな気も知らずに普通にそういう事を聞いているのだから。 「え? あ、あ……うん……そうだな」  和也は少し考えると、 「好きになってくれたら、やっぱ、男も女も関係ない……かな?」  考えたつもりだったのだが、普通に望の言葉に答えてしまっていた和也。 だが心の中はきっと穏やかではないだろう。 そうこうやって言葉を詰まらせながら答えてしまっているのだから。  だけど和也は望に告白をしていない。 だから望が和也の気持ちを知る由もなく、その事について淡々と答えなければならない自分に胸の中は苦しいという気持ちが支配しているのかもしれない。 「そっか……和也はそう思ってるんだ。 なら、付き合ってみようかな?」 「……へ?」  その望の言葉に慌てたように顔を上げ望の事を見つめる和也。 そして、 「え? あ、ちょ、ちょっと待ってよ!」  と和也は戻ろうとしていた望の体を止め、その望の体をフェンスへと両手で押し付ける。 それと同時にフェンス特有のガシャンという音が屋上へと響き渡るのだった。 「ちょ、ちょっと、待ってよ! あのさ、お前がまだアイツの事好きになったっていう訳じゃねぇんだろ? だ、だったら、まだ付き合わなくてもいいんじゃねぇのか?」 「でも、お前が言ってくれたじゃねぇか。 告られたら、男も女も関係ないって。 それに、今は俺……アイツの事嫌いじゃなくなってきたしな」 「え? あ、う、うん……確かにそうは言ったんだけどさ」  和也はこれ以上、望を言葉で止める術はなくなったのか、ただただ和也は望の肩に置いてある手に力を入れているだけしか出来なくなってしまったようだ。 「あ、あのさ、望……一つだけ聞いていいか? 望は本当に本当にアイツの事が好きになったのか?」  更に和也の手に力が籠ってしまったようで望の方も痛みに限界が来てしまったのか、痛みで顔を緩ませながら、 「ちょ、痛ぇって!」  そう望は思わず叫んでしまっていた。 「あ、ちょ、ゴメン……」  和也は今の望の言葉で思わず力を入れてしまっていたという事にやっと気付いたのか、力を入れていた手の力を緩めるのだ。 だが和也はまだ望の肩を掴んでいる。 だって、そこは和也的にはまだ望の事を離したくはないからであろう。 だが和也からしてみたら望を止める術というのもない。 そのよく分からない状況の中で和也は望の事を止めてしまっているのだ。 離したくはない。 この手を離してしまったらきっと望は桜井さんの所に行ってしまうだろう。 という事を和也の中で分かってしまっているのかもしれない。 「た、確かに今はまだそんな気持ちにはなってねぇよ。 でも! もし付き合ってみたら、好きになるかもしれねぇじゃねぇか」 「じゃ、もし、付き合ってみてアイツの事を好きにならなかったら!? アイツの事、傷付けるだけになるんじゃねぇのか?」  そう焦ったように答える和也。 「確かにそうだけどよ……でも! それは傷付けるかもしれねぇし、傷付けないかもしれねぇし、そこは今のところ分からない事だろ?」  その望の言葉で、やっと和也は望の事を諦めたのか掴んでいた手を緩め手を離し、和也はそのまま深刻そうな表情をしながら、そこら辺にあるコンクリへと腰を下ろしながら顔を俯ける。  今の和也というのは何を考えているのであろうか。  項垂れながらも頭を必死に掻いてみたり百面相のように表情を変えてみたりしているのだから。 そう今の和也は色々な感情が入り混じってしまっている状態なのであろう。

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