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ー友情ー

体の中からゾクっとするような爆発音。 そして、ガラスの割れる音共に悲鳴のような声も聞こえる。 「…爆発!?って、俺も行かねぇとっ!」 望の方も今の爆発音を聞いて急いで現場へと向かうのだった。 爆発事故なら少なくとも怪我人はいる。 望は医者という仕事をしている為なのか体の方が先に動いていた。 息を切らしてまで望が現場に駆け付けた頃には、先に消防車で現場に来ていた雄介達消防隊がもう既に消化活動を始めていた。 現場は街外れにある地上4階建ての小さなビル。 どうやら、そのビルの4階部分で爆発があったようで地面にはガラス片が散らばっていた。 周辺を見渡してみると今の事故で難を逃れた人達が道を挟んで反対側の歩道にいる姿が入ってくる。 望はすかさず怪我人の救護に当たる。 そして、次から次へと応急処置を行い待機している救急車の方に搬送要請をし、怪我人を病院の方へと送る。 望がこう怪我人の救護にあたっていると、遠くの方から、懐かしい声が聴こえてきているような気がした。懐かしいというのか、久しぶりに聞く声だ。 その人物も怪我人の救護にあたっているのか、 「お怪我の方は大丈夫ですか?痛む所はありませんか?」 と聞いているようだ。 「あ…この声は…まさか!?」 望はその言葉と同時に顔を上げると、そこには、ちょっと前までコンビを組んでいた和也の姿があった。 喧嘩をしたとはいえ、ちょっと前まで一緒に仕事をしていたのだから、少しばかり望だって和也の事は気にはしていた。 久しぶりに聞く声に気になるところなのだが、そう考えている間にも、怪我人の手当ての方が先だと思ったのか下を向いて怪我人を手当てしていく望。 「望!」 と誰かに声を掛けられた。 「あ、ああ…なんだよ…」 「あのさ、俺に指示出してくれねぇか?確かに俺だって応急処置位は出来るけど、それ以上も事は医者のお前じゃないと出来ない事だろ?」 「あ、ああ…」 望はその和也の言葉に返事をする。 そうだ、今のこの状況では自分達が喧嘩をしていたなんて事は関係がない事。だから、和也と一緒になって目の前にいる患者さんを助ける方が上だろうと思った望は次から次へと和也に指示を出して行く。
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