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ー友情ー

 夜中というべきか夜明けというべき所なのか3時に望達が働く春坂病院では救急車のけたたましいサイレンの音が鳴り響く。  そんな中、今日も当直だった望と和也は救急隊員から受け入れ要請があって病院で受け入れ態勢を整えた頃にその救急車が夜間救急入口の方へと入ってきた。 「救急車が来たみてぇだな……」 「ああ」  当直中に救急車が病院に入ってくるのは慣れている。 夜中に来るという事は患者さんが緊急事態なのは間違いない。  真剣な眼差しでストレッチャーから降りて来る患者さんを見つめている望と和也。  それが誰であっても一緒だ。  だが、救急隊員に名前を聞いた途端にみるみるうちに望の顔色が変わっていった。 「名前は……桜井雄介さん」  その名前を聞いた瞬間、望は目を見開く。  そして、次の瞬間にはそのストレッチャーに乗っている患者さんの顔を確認するかのように見ると、やはり救急隊員が言っていた名前と望が知っている人物と一致してしまったようだ。 「え? あ……う、嘘だろ!? ちょ、桜井さん! 桜井さん!」  望の真横で救急隊員が色々と症状やらなにやらと伝達しているのにも関わらず望は親しい仲かのようにひたすら雄介の名前を呼び続ける。  だが、雄介は意識がない状態で運ばれて来たのか望の問い掛けには答える事が一切なかった。  次の瞬間、雄介が着ている消防の制服の内ポケットから何やらはらりと紙のような物が落ち、それを望は拾うのだ。  確かにそれは雄介の物なのだから読んではいけないと思いながらも望はその手紙の内容を読み始めた。  だが、今はその手紙の内容どころではない。  望はひと息吐くと自分の事を落ち着かせるとそこに居る看護師達に指示を出す。  雄介の手術を終わらせた望。 今回も雄介は望のおかげで一命を取り止めた。  後はICU室で様子を見ながらの状態になって、望は自分の部屋へと戻って行く。  そして、さっき雄介の内ポケットから落ちた手紙を読み直す。 「……マジかよ!?」  さっきはほんの一瞬目を通しただけだったのだが今は真剣に読んでみた。 「桜井さんが誰かに命を狙われているだと!? しかも、初めて桜井さんがこの病院に来た時から……ってか、犯人見つけてやらないと……例えまた完治しても再びこの病院に来てしまうって事なんじゃねぇのか? 今回は一命を取り止めているけど……もし、今度ここに運ばれて来た時に……もう、俺の手で施せないような状態で来たら……?」  今はその手紙の内容を見た瞬間、手を震わせる望。 だって誰もがそうだろう。 そんな脅迫じみた内容の手紙なんか普通の人では殆ど無い話なのだから。 実物を見てしまったら手が震えてしまうのは当たり前なのかもしれない。  さっき一瞬取り乱してしまった望なのだが冷静沈着な自分へと戻すとフッとある事を思い出したのか和也がいるICU室へと向かうのだった。

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