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ー天災ー67

 そこに置いてあった配給のパンは菓子パンに惣菜パンだ。 それが三組置いてあるって事は一人一組なのであろう。  雄介は先に菓子パンを手にし口にする。 「あんま菓子パンって好きじゃないんやけどな……今は美味しく感じるわぁ」  そう言いながらも雄介は食べるのだ。  今は本当に自分が好きな物を好きなだけ食べられないのだから、きっと嫌いな物でも美味しく感じるのであろう。  一方、和也の方は、 「俺は惣菜パンの方は好きじゃねぇんだよな……だから、雄介、食べてもいいぜ」 「せやなぁ、ホンマは貰って上げたいところやねんけど、今はそういう物も我慢して食べていかないとアカンと思うで。 今は明日を生き抜く為に好き嫌いとかしとる場合じゃないしな」 「そっか……だな」  流石に和也は雄介が何が言いたいのかが分かったのか先に惣菜パンの方を口にする。  二人でしばらく話をしていると時計の針が二十時を過ぎた頃、望が部屋へと戻って来た。 「あ、おかえりー」 「ああ、おう……。 って、和也大丈夫なのか?」 「ああ、まぁな。 風邪位なら一日寝てたら大丈夫だって……」  そう笑顔で話す和也に安心すると望は雄介の隣に腰を下ろす。 「良かったー。 二人とも食べててくれたみたいでさ。 今日の昼間配給があったからさ、それを貰って来ておいたんだよ」 「スマンな」 「ありがとうな……望」 「ああ、まぁ……二人は知らないだろうって思ってたからさ。 それに取りに行けたのも俺だけだろうしな」 「ああ、まぁ……せやな」 「な、望……今日は遅かったみたいだけど、大丈夫だったのか?」

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