263 / 2160
ー天災ー84
「……へ? 俺等の所に来るのか? 布団ねぇぞ 。 あ! そっか! なら、和也と一緒に寝ればいいんじゃねぇのか?」
「ああ、それはそれで俺は構わないって思ってるからさ」
そう二人がちょうど話が終わった所で裕実が望達に挨拶をしてくるのだ。
「では、し、失礼します。 本宮裕実っていいます……宜しくお願いしますね」
きっと裕実は緊張しているのであろう。 こう言葉を詰まらせながら自己紹介をしていたのだから。
そしてそれをひと通り終わらせると和也は裕実にこの部屋のことを案内しに行ったようだ。 と言ってもあるのは寝室と今は使えないシャワー室しかない。
「ホンマ、アイツ男なんかいな? なんかこう、初めて望に会った時みたいに可愛えっていうんか、男子っぽくなくて華奢で……髪も後ろで束ねておるし、背も低いしな」
そう雄介の言う通り裕実という看護師は望よりも、こう後ろ姿というのは女性のようだ。 しかも望よりも背が低いのだから余計に女性ぽく見えてしまっているのかもしれない。
「……って、その話をまた持ち出してくるのかぁ!?」
望は半分はふざけたように雄介の事を睨み上げる。
「……ぶっ! そんな目で見んなやぁ、噴き出してもうたやんか!」
「今の望ってめっちゃ怖っ!」と付け足そうとしたのだが、今度は本気で怒ってきそうな望に食べ物を口に入れて誤魔化す雄介。
和也は一通り裕実に部屋の案内を済ませてきたのか望達がいるソファへと戻って来る。
そして改めて挨拶を交わすのだった。
「俺は吉良 望だ。 で、隣にいるのが、今回の地震で救助に来ているレスキュー隊の桜井 雄介だぜ」
「どうも、はじめまして、本宮裕実っていいます。 桜井さんはどうして、ここにいらっしゃるのですか?」
「……へ?」
その質問に雄介と望は視線を合わせる。
こうもストレートな質問にどうしたらいいのか。 っていう意味で目だけで会話をしているのであろう。
ともだちにシェアしよう!

