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ー天災ー85
「あー……今は救助にこっちに来てるからさ、ここにいるんだけどな」
望はそう当たり障りのないように答える。
そう言うと隣にいる雄介が小さな声で、
「何で、俺等が恋人同士だって事言わんねん」
「そんな事、普通にいきなりカミングアウト出来る訳ねぇだろうが。 そういうのよく考えてみろよ」
「せやけど、俺等のラブラブぶりっていうのを見せつけたいやんか」
こう語尾にハートマークが付きそうな感じで言ってくる雄介なのだが、そんな雄介を制止させるべくコツンを雄介の頭を叩くのだ。
「いいから……お前は黙ってろよ」
そうコソコソと雄介に向かって念を押していると、
「そこのお二人さんは仲よさそうですね」
とまたもやこうストレートに言ってくる裕実。 そこに和也は、
「ああ、そうなんだぜー! そりゃ、勿論……!」
望は雄介の方は黙らせたつもりだったのだが、まだこういう事に関して余計な事を言う奴がいた事を思い出す。
「おぉい! 和也っ!」
望から斜め向かいのソファに座っている和也の事は叩けもせず、そして静止させる事も出来なかったようだ。 とりあえず望は人差し指を口に当て「シッー」とするのだが、和也の方はその望からのサインを気にせずに望に向かってあっかんべーをしている。
この分では、もう望と雄介の関係が和也の口から漏れるのは時間の問題なのかもしれない。
とりあえず今日は話をそこら辺にしておくと二十一時前にはベッドの方へと向かうのだ。
だがその夜みんなが眠りはじめた頃、未だに眠れないでいる人物がいる。
その人物は望の隣で両腕を下に暗闇の中、二段ベッドの天井を見上げていた。
次の瞬間には一つため息漏らすと瞳を閉じる。
瞳を閉じたって考える事がありすぎて眠れる訳でもなさそうだ。
この仕事がひと段落したら、またここを離れなければならない。
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