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ー天災ー94

 そうやって仕事をしていく中でやっと患者さんの事で落ち着いて来た頃、望は今まで立っていた体を休める為に椅子へと腰を下ろす。 「少し落ち着いてきたみたいで良かったな」 「だな」  なんて会話をしていて和也は裕実に台車を片付けるように指示を出していた。 「あー、本宮君さぁ、その台車の上にある物とかを棚とかに戻しておいてくれねぇ?」  そう少しでも早く、ここに慣れて貰うために裕実へと任せる和也。 裕実は、 「はーい」  と返事をした直後、この診察室に金属音が響き渡るのだ。  その音にびっくりしたのは望と和也だった。  和也は、その音がした方へと向かうと台車と共に倒れている裕実の姿がある。 といっても幸いな事に台車の横に裕実が倒れているという状態だ。 「……って、お前なぁ、また、やったのか?」 「す、すいません……手が滑っちゃいまして……」  和也はため息を吐きながらも台車を起こし裕実の事を立ち上がらせる。 そして台車に乗っていた物も台車の方へと戻して行くのだ。  そこで今の和也達の会話をちゃんと聞いていたのか、望は、 「和也……今の言葉ってどういう意味だ?」  和也が片付けを手伝っていると和也の後ろから低い声で言う望。  その声から察するに望はどういうわけか怒っているのであろう。

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