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ー天災ー95
和也はその気配に恐る恐る望の方に視線を向ける。 するとやはり望の方は怒っているようで目が座っていた。
和也は裕実に今落とした物を消毒液に付けておくように指示をすると、望の背中を押して診察室の方へと向かうのだ。
「ちょ、話聞いてくれないか? アイツはさ……確かにドジなのかもしれねぇけど、でも、仕事の時にはちゃんとやってるだろ?」
「ああ、まぁ……確かにな……」
望は椅子に座りながら和也の事を見上げる。
「でもな、こう仕事が終わるとなんか気が抜けちゃうのか、ああやってドジっちまうみたいなんだよな。 昨日の時点で俺は知ってたんだけどさ、まぁ、だから、望の前ではやるなよ。 とは言っておいたんだけど……。 また、今日もやらかしたって訳だ」
そう和也が話を終えた直後、少し離れた所から、
「わぁー!!」
という声が聴こえてくる。
「え? はい!?」
その声は明らかに裕実の声で様子を見てみると、何故か転けてる裕実の姿が目に入ってくる。
「え? ちょ、何で!?」
と和也は小さな声でツッコミを入れるのだ。
だが次の瞬間には裕実の側へと向かうと、
「大丈夫か?」
そこは優しさなのか、そう声を掛けていた。
「だ、大丈夫です……気にしないで下さい。 僕っていつもこんな感じですから」
そう言いながら裕実は和也に助けてもらって立ち上がると、同時に和也に向かって笑顔を見せると急に和也の表情が変わるのだ。
「……へ? あ、ああ……ぅん……」
その裕実の笑顔を急に直視出来なくなってしまった和也。 だからなのか直ぐに視線を外してしまったのだから。
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