525 / 2160

ー空間ー190

 望はそう言うと手を合わせていただきますと言い雄介特製のチャーハンを食べ始める。  しかし雄介が作ったご飯を食べるのはいつ振り位なんであろうか。 もう、かなり食べていないような気がする。  相変わらず雄介が作る料理というのは美味しい。 だけど望はその「美味しい」という一言をまだ口に出来ないようだ。  そう雄介の場合にはそういう風に褒めると調子に乗るのは分かっているからなのかもしれない。  望は雄介に何も告げないままご飯を食べ終える。  そして食べ終えると同時に席を立ち上がり学会へと行く準備を始める。  持ってきたスーツへと着替えネクタイを結ぶ。 「もう、行ってまうんか?」 「俺は時間に余裕を持って行きたい人間だからな」 「ほなら、会場まで俺が送ってってやろうか?」 「昨日、俺は言った筈だ。 今日はお前は寝ておけってな」 「んー、ほなら、車使ってってええよ……電車で行くよりかはええやろうしな」 「あ、ああ……確かに電車だとこの辺に慣れてねぇから分からなくなってしまう可能性があるしな。 車の方がいいのかも……」  望がそう頷くと雄介は部屋に車の鍵を取りに行く。 「ほい、鍵!」  そう言うと雄介は望に車の鍵を投げ渡すのだ。 「ああ……」  望はしっかりと雄介から車の鍵を受け取ると荷物を持って玄関へと向かう。  雄介の方も望の後を追って玄関へと向かうと笑顔で望の事を見送るのだ。  そして雄介は望に言われた通りに食器を洗った後、自分の部屋へと戻りベッドへと横になる。

ともだちにシェアしよう!