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ー雪山ー45
「俺の方は嬉しいねんけど、せっかく来てくれたのに、あんな態度はないやろうが……」
二人はキッチンに立ちながら雄介はそう口にする。
間違っていることは正す。 これも親しいから言える事なのかもしれない。
「お前だって、昨日はそうだっただろ?」
子供の喧嘩かっていう位、望の方もそう返してきたのだ。
望は雄介にお皿を渡されて、それを拭きそれを食器棚の方へとしまっていく。
「……ぁ」
雄介はそう痛い所を言われてしまい言葉を詰まらせるのだ。
「だろ? お前だって人の事言えねぇじゃねぇか……」
そう言われてしまえば確かにそうだ。
痛い所を突かれた雄介は顔を上げられないようだ。
「それよか……!」
「……なんだよ」
何かを思い出したのか雄介は大きな声まで出して今まで言葉を詰まらせていた事が嘘みたいに今度はニコニコとした表情になると、
「な、なんだよ……その顔は?」
と今度望の方が言葉を詰まらせる番となってしまったようだ。
そして見上げたその先の雄介の表情に逆に今度は望の方が顔を赤く染める事になってしまったらしい。
「なぁ、望ー」
そういつも以上に甘く高い雄介の声に望は急に気持ち悪さを感じたのかもしれない。
「さっき言ってた事ってホンマのホンマか!?」
その言葉に望は更に顔を真っ赤にさせ顔を俯ける。
あのニコニコとした雄介の表情、絶対、何か望に言いたそうな表情、望の中では雄介が言いたい事が分かったのであろう。 それが見事に的中してしまったらしい。
雄介がああいう顔をする時には大抵、恋人関係の話をする時だ。
きっと望の心の中では「思い出さなければ良かったのに」とでも思っているのであろう。
「なぁー」
「うるさい……今は黙って皿を洗え!」
そう誤魔化すかのように叫ぶ望。
雄介はそう言われて望に最後の一枚になったお皿を渡す。
だが今の話で望は動揺していたのであろう。 雄介からお皿を渡される際に手を滑らせてしまったのか、お皿を床へと落としてしまっていた。
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