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ー雪山ー159
「……ったく、今の望はなんやねん? って感じがしたんやけど! そのないにスキーやりたくないんかいな? って感じやったしな。 今の望、そんなノリって感じせぇへんかったか?」
雄介は立ち上がると裕実や和也へとその話を振るのだ。
「だよなぁ。 確かに、望の様子がおかしかったようにも思えるけど!」
「確かに……。 そう言えば、望さんってスキーさほど楽しみにはしたなかったかと思いますけど?」
「スキー出来るのにか!? 俺の方はスキーすんのめっちゃ楽しみにしておったんやけどな」
「まさかとは思うのですが、望さん、もしかしたら、スキー出来ないんじゃないんでしょうか?」
裕実は望達とスキーの話をしてる時の望の様子を思い出したようだ。
「僕が『スキー教室には風邪を引いてしまって、スキー教室には行けなかったんですけど……もし、スキー教室に行っていたなら、骨折はしていたのかもしれませんよ』って言った時に、望さん顔色を一瞬変えたようにも見えましたからね。 だから、もしかしたら望さんって、スキーは出来ないんじゃないんでしょうか? って思ったんですけど……」
「はぁ!? じゃあ、何で、望は俺達にスキーが出来ないってこと話してくれなかったんだ? 出来ないって素直に言ってれば雄介だって望にはスキーは教えてやってたじゃねぇのか?」
「和也さんって望さんの性格知ってますよね? 望さんの性格って、負けず嫌いでプライドが高いんでしょう? だから、言い出す事が出来なかったんじゃないんでしょうか?」
その裕実の何気ない言葉に雄介と和也は目を丸くしている。
確かに二人とも望の性格というのは熟知している。 だが、そう裕実にしっかりと分析されるとドキリとしているのかもしれない。
「確かにそうなのかもしれないんだけどさ、あそこまで否定されるとは思ってはなかったっていうのかな?」
「ま、ええわぁ、拗ねた望なんか放っておいて、行くで! ああなった時の望は放っておくのが一番いいと思うしな。 それに、滑る時間無くなってしまうし、せっかくの休みなんだから楽しまないとやろ?」
雄介は裕実と和也の背中を押してコテージを後にする。
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