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ー雪山ー185

「平気だろ? 流石に雷雲ではないだろうしさ……」 「え? あれは雷雲ではないですよー。 あれは雪を降らせるような雨雲じゃないんでしょうか?」 「雪を降らせるような雨雲? でも、そんなに大して降らないんじゃねぇのか? 大丈夫だって! 次! 高い所から行こうぜ!」 「まぁ、そうやんな。 昨日は時間なかったし、近場におったから、今日はそこから行くか!」 「よし! 行こうぜ!」  四人はそう決めると再びリフトに乗って今度は一番難しいコースへと向かうのだ。  一番難しいコースの方は下の方に比べると人も方はまばらで、寧ろ今は誰もいないに等しいのかもしれない。 視界も霧で見えないのかコテージさえも見えない所だ。 しかも、いきなりの急斜面なコースでもある。  しかも、さっきまで曇りだった筈なのに上の方はもう吹雪いて来ているのか前も見えなくなっている。  ゴーグルを付けていても雪がゴーグルを叩きつける位の吹雪になっていて顔はその吹雪で痛い位に寒い。 「こりゃ、マズいな。 早よ行かんと、危ないのかもしれへんわぁ。 俺や和也は平気なのかもしれへんけど、望や裕実は危険って感じがするしな」  そう雄介は言うのだが、この風の中ではきっと和也達には聴こえていないのかもしれない。 返事さえもないのだから。  スキー場に来慣れている雄介と和也は危険を感じたのか先に走り出す。  難しいコースでは、ほぼ隣同士で走るのは難しいと思ったのか、和也、雄介は二人を誘導するつもりで先に走り出したらしい。 だが流石の望も裕実もこの急斜面に足元がすくんでしまっているのか、なかなか一歩を踏み切れないでいるようだ。  だが前に進まなければコテージに帰る事が出来ないと思った二人はアイコンタクトと共に滑り始める。  しかし流石は急斜面だけあって、さっき滑った所とは全然違うスピードが出てしまっていた。

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